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トップ資料集自然災害時における人々の保護に関するIASC活動ガイドライン(日本語版)
 ◆ 自然災害時における人々の保護に関するIASC活動ガイドライン(日本語版)
    グループA:生命、安全および身体の健全性ならびに家族の関係の保護

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グループA:生命、安全および身体の健全性ならびに家族の関係の保護
 A.1 人命救助の対策(特に避難)
 A.2 家族の離散からの保護
 A.3 自然災害の二次的被害からの保護
 A.4 暴力からの保護(ジェンダーに基づく暴力行為を含む)
 A.5 被災者を受け入れる家族・コミュニティまたは集団避難所における安全
 A.6 遺体の取り扱い


グループA:生命、安全および身体の健全性ならびに家族の関係の保護



 A.1 人命救助の対策(特に避難)

  A.1.1 自然災害による差し迫った危険にさらされている被災者(特に特定のニーズを持つ人々を含む)の生命、身体の健全性および健康は、その所在地がどこであるかを問わず、最大限可能な限り保護されるべきである。


 特に、次の活動が考えられる。
  •  被災者に対し、予想される危険、推奨される予防策と施設(例えば、安全な避難ルートおよび地域の緊急避難所)についての情報を理解できる言語で提供する。
  •  特別のニーズを持つ人々を特に対象として警戒体制および予防的な保護対策を実施する。
《事前準備の対策》
  •  コミュニティ・村落中心の災害時のリスク管理を計画策定する。リスクの把握およびその防衛策に関するコミュニティの意識啓発プログラムを実施する。
  •  災害に対する意識啓発プログラムを教育課程に導入する。
  •  人道的支援を行うすべての人員に対して救急対応の訓練を行う。
  •  災害への事前準備および被害軽減対策(例えば、洪水の起きやすい地域の河川管理)を実施し、コミュニティの脆弱性についての住民参加型の評価を行う。
  •  コミュニティおよび各世帯を対象とした予防策(例えば、避難ルートの地図または切迫する危険を知らせる警笛)を提供する。

  A.1.2 危険にさらされている人々を保護するために上記の対策だけでは不十分な場合には、これらの人々の危険地域からの避難を円滑にするべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  保護するための避難所を準備し、人々をそこに避難するよう導く。
  •  避難ルートに関する情報を人々が理解できる言語でかつ入手しやすい方法で提供する。
  •  特別のニーズを持つ人々を支援し、危険な場所から逃げられるようにする。
《事前準備の対策》
  •  地域レベルで災害管理委員会を設置する。
  •  津波または突発的な洪水等の災害の危険性が特に高い場所には、避難ルートおよび保護のための避難所の場所を示す道路標識および案内板を設置する。
  •  災害発生を想定したコミュニティ単位の避難訓練を実施する。

  A.1.3 危険にさらされている人々が自力で逃げることができない場合には、これらの人々を危険地域から避難させるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  避難対策および集合場所に関する情報が、危険にさらされている全地域に公表されることを確保する。
  •  特別のニーズを持つ人々および移動に制限のある人々(障がいのある人々、高齢者、入院患者、療養所生活者または受刑者を含む)を特定し、移動手段を提供する。
  •  被災者全般に対して移動手段を提供する。
  •  避難者が残置した住居および所持品を保護する。
《事前準備の対策》
  •  適切な代替策、避難ルート、および避難者が残置した住居および財産を保護するための対策の特定に被災者が参加する。
  •  財産および所持品の最新の写真記録を残す。

  A.1.4 避難を望まない人々を当人の意思を無視して強制的に避難させるべきではない。ただし、次の場合は、この限りではない。
  1.  法律によって認められている場合。
  2.  その状況下において、生命または健康への深刻かつ差し迫った脅威に対応する絶対的な必要性があり、強要度の低い対策ではその脅威を回避できない場合。
  3.  できる限り対象者が情報提供と協議を受けた上で実行される場合。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  危険にさらされている人々に対して避難場所および避難期間に関する情報を提供し、協議する。
  •  危険にさらされている人々が避難を望まない理由について、これらの人々と協議する。
《事前準備の対策》
  •  避難を可能にしかつ避難の条件を規制する法律を策定する。
  •  災害の起きやすい地域における危険度について、および強要度の低い対策の可能性について技術的な点から評価する。
  •  強制避難を必要とする可能性のある状況に関する意識啓発活動を行う。
  •  強制避難が実施される場合の方法と日時に関する情報を提供し、協議する。
  •  被災する可能性のある住民と、自主避難の妨げとなる可能性のある要因について協議し、特定されたニーズを緊急災害計画に組み入れる。

  A.1.5 避難は、自主的であるか強制的であるかを問わず、被災者の生命、尊厳、自由および安全に対する権利を完全に尊重し、何人も差別されない方法で実施されるべきである。被災者は、入手しやすい方法でかつ理解できる言語で、予想される避難の期間、避難のプロセスおよび避難する必要がある理由について可能な限り情報提供を受けるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  避難させられた人々とその持ち物を登録し、避難の状況を監視する。
  •  移動手段に限度がある状況においては、特定のニーズを持つ人々を優先する。

  A.1.6 居住地を離れる人々または避難させられた人々は、安全確保または安全の状況が許す限り、自らの居住地の近くに留まることができるよう支援されるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  近くの適切な避難場所を複数特定しておき、優先順位を付ける。
  •  近隣の居住者の中から被災者を受け入れる家庭を積極的に探す。
《事前準備の対策》
  •  「国内強制移動に関する指導原則」に従い、避難させられた人々の受け入れおよび保護を準備する。
  •  被災者を受け入れる家庭を特定し、受け入れに対する報酬支払計画を準備する。

  A.1.7 被災者が連れてこられたまたは受け入れられた避難施設および一時的な避難地域は、被災者をさらなる危険にさらすことのない安全な場所であるべきである13。これらの施設および地域は、被災者の尊厳を尊重した居住環境を提供するべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  最低限の物理的な安全条件が満たされていることを確保するため、避難場所の安全評価を行い、できる限り、特定された危険を軽減する対策を施す。
  •  特定された危険を十分に軽減できない場所については、より安全な場所への早急な移住を準備する。
  •  避難施設に受け入れられた避難者(特定のニーズを持つ人々を含む)の中での自己統治の適切な形態および参加の体制を構築する。
  •  避難施設に受け入れられたすべての被災者に対して現状および将来予想される展開に関する情報を適時に提供する体制を構築する。
  •  避難施設に受け入れられた被災者の保護に関する意識啓発および訓練活動を実施し、その機会を利用して生じうる保護の課題に関する情報を収集する。
《事前準備の対策》
  •  避難施設の選択基準(地理的位置、建物の種類および状況、建物の収容人数および規模、利用期間、交通の便、通信環境、衛生および調理設備、予備の設備等)の設定。
  •  避難場所の監督、調整および管理に対する役割および責任を明確化する。
  •  特定のニーズを持つ人々のための装備(子供の遊具等)または避難所用に特別に作られた装備を事前配置する。
  •  避難施設または一時的な避難所に受け入れられた被災者のために活動する人々に行動規範を熟知してもらい、同意署名してもらうことを確保する。
 13 特に後述のA.3およびA.4を参照。

  A.1.8 保護および支援を行う国際組織および非政府組織は、強制避難を実施するべきではなく、またはこれに関与するべきではない。ただし、これらの組織が関与しなければ避難者の生命、身体の健全性または健康に対する差し迫った重大な脅威を避けることができない場合は、この限りではない。

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 A.2 家族の離散からの保護14
 14 「D.3 家族の関係の再構築」を参照。

  A.2.1 避難が行われる間は、家族の離散は最小限にとどめられるべきである。可能な限り、子供を両親、祖父母または保護者と共に避難させることを最優先するべきである。子供を両親から離して集団で避難させることは、最後の手段とするべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  子供の身元確認用の札または腕輪を使用する。
  •  避難させた子供およびその両親を登録する。
  •  避難させた子供が連れてこられた場所を登録し、両親にその場所を知らせる。
《事前準備の対策》
  •  親のいない子供、または大人数のために共に避難できない世帯を特定する。
  •  避難が行われる前に身元確認用の資料を配布する。
  •  子供の避難場所を特定する作業に両親および学校関係者を関与させる。

  A.2.2 避難が行われた間に家族と離散しまたは随伴者がいなくなった子供は、一時的・臨時的な保護下に置かれるべきである。状況が解決されないままになっている間は、制度的なまたは長期にわたる養子縁組はできる限り避けるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  一時的・臨時的な保護のための適切な養家および里親を特定し、監視する。
  •  災害が起こる前の段階で完了していなかった海外の養父母に対する養子縁組の手続きは中断する。

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 A.3 自然災害の二次的被害15からの保護
 15 この概念については、「付属資料I:用語集」を参照。

  A.3.1 自然災害の被災者は、潜在的な二次的被害から保護されるべきである。

 特に、次の活動が考えられる16
  •  被災者に対し、潜在的な二次的被害に関する情報を提供する。
  •  被災者が滞在する場所のリスク評価を行う。
  •  被災者が逃げ込んだ場所または連れてこられた場所のリスク評価を行い、必要な場合には、技術的な適応・修繕対策を講じる(例えば、これらの場所において、洪水、下水設備からの汚水氾濫等を防ぐ)。または、それが不可能なもしくは不十分な場合には、他のより安全な場所への移住を準備する。
《事前準備の対策》

  •  リスクについて図示した資料を作成し、情報を随時更新する。
  •  安全な場所を事前に確認しておく。
 16 その他の対策については、A.1.7を参照。

  A.3.2 自然災害の被災者は、化学物質、有害な廃棄物および対人地雷・不発弾の危険、ならびに自然災害の過程で除去され、隠されまたは見えにくくなったその他の危険物質から保護されるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  該当する場所に入れないよう柵を設け、目立たせる。
  •  専門の組織に適切な対策を講じるよう警告を発する。
  •  情報収集および意識啓発活動を行う。
《事前準備の対策》
  •  災害が起こる危険性のある場所について、化学物質、有害な廃棄物、対人地雷・不発弾およびその他の危険物質について図示した資料を作成し、これらの物質を除去する。

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 A.4 暴力からの保護(ジェンダーに基づく暴力行為を含む)

  A.4.1 自然災害の被災者の安全は、緊急段階の間およびその後において確保されるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  予防策
    • 被災者以外の人々の間において、また被災者間において暴力の元となりうる要素を特定し、それについて図示した資料を作成する。
    • 暴力の危険にさらされている人々(例えば、独身女性または未成年の女子、片親の家庭、単独のまたは随伴者のいない子供、高齢者、障がいのある人々等)を特定し、それについて図示した資料を作成する。
    • ジェンダーに基づく暴力行為、強盗、略奪等の事件、法および秩序の崩壊の危険がある地域・場所、または既にそれらが起こっている地域・場所に対して必要な保護を提供できる法執行職員の追加派遣を提唱する。
    • 災害の結果、新たに特定の保護を求めている被災者を対象とし、新たな危険(例えば、搾取、人身売買)についての意識啓発活動を行う。
    • 大規模なまたは混雑した集団避難所を避ける。
    • 特に次の事項に関し、被災者(女性、子供、高齢者および障がいのある人々を含む)の代表をキャンプおよび集団避難施設の設計過程に参加させる。
      ― 避難所の設計、場所の設定および内部の配置
      ― 照明、柵の設置およびその他の安全対策
      ― 食料の配給所、給水所、衛生設備、燃料の供給場所、医療、教育およびその他のコミュニティの施設の安全な場所での設置、その場所への移動の利便性
  •  受け入れコミュニティからの批判的な感情に対する保護。このような対策についてはA.5を参照。
  •  キャンプおよび集団避難施設内での被災者間の暴力からの保護。
    • 必要な場合には、家族の構成員ではない男性を、女性および子供から隔離する。
    • 地域の法執行職員と協力の下で、司法委員会および必要に応じて避難所管理委員会を設置する。
    • その手続きは、被害者およびその家族が家庭内暴力の被害を届け出て、被害に対処できるよう、子供および女性に配慮したものとする。
    • コミュニティのまとめ役を利用し、避難所で暮らす被災者を一つのコミュニティとして組織する(例えば、避難所におけるコミュニティによる警備を含む)。
    • 避難所で暮らす被災者(特に女性)との密接な協力の下で、避難所の住民の間で自発的な警備を行う体制を構築する。
  •  監視、報告および紹介体制(リファーラル)を構築する。
    • 避難所のオンブズマン制度またはその他の苦情処理および監視体制を構築する。
    • すべての組織およびサービス提供者が避難所で暮らす被災者および避難者に対して必要な説明責任を果たすことを確保するため、キャンプおよび避難施設内に苦情処理の体制を構築する。
    • 人権侵害の被害者に必要なサービスを紹介するため、紹介体制を構築する。
    • 避難先の地域およびキャンプまたは避難施設に対する国家の人権保護制度による定期的な訪問を確保する。
  •  被災者の組織犯罪からの保護。このような対策についてはA.4.3を参照。
  •  人道支援物資が配給されている場所における被災者の保護。
    • 受給者に対し、支援物資が配給される予定の時間および場所に関する事前情報をできる限り提供する。
    • 女性、子供、高齢者および障がいのある人々に対し、他の受給者とは異なる時間または場所での物資の配給を計画する。
    • 軍または武装集団が人道的支援を提供する場合には、文民の当局または人道的組織がそのような救援活動を監視することを確保する。
《事前準備の対策》
  •  若い世代の女性・男性および未成年の女子・男子を対象とした意識啓発資料を作成する。
  •  緊急の状況で活動する法執行職員を訓練する。
  •  安全上の問題を引き起こす恐れのある事項について図示した資料を作成する。
  •  成人女性および未成年の女子を避難所の事前認定および計画策定の過程に加えることにより、その身体の安全および個々の身の安全を確保するための対策を含める。

  A.4.2 被災者(特に成人女性および未成年の女子)は、ジェンダーに基づく暴力行為から保護されるべきであり、そのような暴力被害を受けた人々は、適切な支援を受けるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  女性および子供をジェンダーに基づく暴力行為から保護するため、コミュニティ中心の活動を組織する。
  •  ジェンダーに基づく暴力行為の危険および当該暴力行為に対する刑法上の罰則に関する教育啓発活動を行う。
  •  緊急支援用の電話番号が入力された携帯電話を配布する。
  •  女性および子供にとって安全な場所を設置する。
  •  子供を公式または非公式の教育活動に参加させる。または、できる限り早期に子供に配慮した場所を提供する。
  •  食料以外の物資に対する女性のニーズを特定し、安全な配給方法を計画策定する。
  •  性別に配慮しかつ秘匿が保たれるサービス(保健医療、安全、法律・裁判に関するおよび心理社会的な支援を含む)の利用機会、紹介体制およびジェンダーに基づく暴力行為の被害者に対する十分な実質的支援を確保する。これには、サービス提供者を対象とした能力向上、保健およびその他の制度に対する物質的および技術的な支援も含まれる。
  •  ジェンダーに基づく暴力行為の被害についての調査および対応方法に関し、法執行機関の能力向上を図る。即戦力となるスタッフの採用または被災コミュニティの中からの女性の採用により、十分な数の訓練を受けた女性の警備スタッフを組み入れる。
  •  地域の法執行職員と協力の下で、司法委員会および避難所管理委員会を設置する。その手続きは、被害者およびその家族がジェンダーに基づく暴力行為の被害を届け出ることができるよう、子供および女性に配慮したものとする。
  •  できる限り早急に、ジェンダーに基づく暴力行為に関する徹底調査および告発を適時に行い、証人を実効的に保護する。
  •  ジェンダーに基づく暴力行為の被害の届出および発生傾向を制度的に監視する。
  •  ジェンダーに基づく暴力行為の危険および当該暴力行為に課せられる刑罰に関する教育啓発活動を行う。
  •  コミュニティのまとめ役を動員する。

  A.4.3 被災者は、人身売買、児童労働、現代的形態の奴隷制(婚姻への人身売買、強制売春、性的搾取等)およびその他の類似の形態の搾取から保護されるべきである。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  人身売買、搾取等の危険に関して被災者を対象とした意識啓発活動を行う。
  •  子供を公式および非公式の教育活動に参加させる。または、できる限り早期に子供に配慮した場所を確保する。
  •  人身売買、児童労働およびその他の類似の搾取の被害についての調査および対応方法に関し、法執行機関の能力向上を図る。
  •  即戦力となるスタッフの採用または避難所の中にいる女性の関与により、十分な訓練を受けた女性スタッフを法執行活動に含める。
  •  地域の法執行職員と協力の下で、司法委員会および避難所管理委員会を設置する。その手続きは、被害者およびその家族が人身売買、児童労働およびその他の類似の搾取の被害を届け出ることができるよう、子供および女性に配慮したものとする。
  •  できる限り早急に、人身売買、児童労働、児童の徴用およびその他の類似の形態の搾取の実行犯に関する徹底調査および告発を行い、被害者および証人を実行的に保護する。

  A.4.4 暴力およびその他の人権侵害に対処するため、国内の人権機関、オンブズマン制度または地域の弁護士協会等の制度に対し、被災地および被災者への接触の機会を円滑にする。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  被災者の事案を取り上げるため、これらの機関と共に擁護し、意識啓発活動を行う。
  •  これらの機関に後方支援および人的支援を行う。
《事前準備の対策》
  •  人道的対応のための予算に監視体制の運営予算の拡充を計上する。
  •  災害対応における保護上のリスクの特性に関し、監視体制の運営職員を訓練する。

  A.4.5 武力紛争が生じている地域で自然災害が発生した場合には、被災した子供を軍または武装集団(その地域の自衛軍を含む)による徴用および利用から保護するため、国際的な基準および手続きに従って適切な予防策を早急に講じ、または既存の対策を強化するべきである(付属資料IIIを参照)。

 特に、次の活動が考えられる。
  •  軍および武装集団による子供の徴用および武力紛争での利用の危険性について、また戦闘行為への積極的参加のための徴用または利用が戦争犯罪となりうることについて、意識啓発活動を計画する。
  •  軍および武装集団による徴用および利用から子供を保護するためのコミュニティ中心の活動を組織する。
  •  軍および武装集団と関わりのある子供が適切な支援サービス(医療および心理社会的な支援、一時的な保護および家族の再会を含む)を利用する機会を必要に応じて確保する。
  •  予防策および保護対策として、徴用および利用の危険にさらされている子供が教育および生計手段の機会を得られるようにする。
  •  強制移動の文脈において、キャンプおよび集団避難所の人道的かつ文民的な〔訳注:非軍事的な〕性質を尊重する(A.5.3およびB.2.3を参照)。
  •  適切な紹介体制を通じ、被災地で活動する法執行機関および軍の組織との連携関係を構築し、必要に応じてその稼動能力を高める。
  •  軍または武装集団による徴用または利用から逃れるために被災国から別の国に逃げてきた子供が、庇護を求める権利を実効的に行使できることを確保する。難民認定においては、未成年の男女が経験した迫害の特定の形態(武力紛争への徴用または派遣を含む)を特に考慮する必要がある。
  •  軍および武装集団による子供の徴用および利用の発生とその傾向を制度的に監視する。

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 A.5 被災者を受け入れる家族・コミュニティまたは集団避難所における安全

  A.5.1 避難者が受け入れ家族と共に暮らしている場合には、適切な監視体制およびオンブズマン制度が整備されるべきである。


 上記に加え、次の活動が考えられる。
  •  ホットライン(緊急支援用の連絡)の体制または近隣地域の監視体制を構築する。
  •  カウンセリングおよび法律相談サービスを行うコミュニティセンター・女性支援センターを設置する。
  •  避難者が多い地域において、ソーシャルワーカー、NGO 職員および国内の人権機関の職員による定期的な視察を実施する。
  •  監視体制およびオンブズマン制度が子供および女性に配慮したものであり、障がいのある人々にとっても利用しやすいものであることを確保する。
《事前準備の対策》
  •  被災地で活動できるよう、災害への事前準備および緊急支援計画に監視体制およびオンブズマン制度を組み入れる。
  •  自然災害時に発生し悪化する具体的な危険事項を特定できるよう、監視体制およびオンブズマン制度を運用する職員を訓練する。

  A.5.2 災害の避難者のキャンプおよび集団避難施設は、避難者(女性、高齢者およびその他の身体的な安全が最も危険にさらされている人々を含む)の安全および保護を最大限に保障し、その受け入れコミュニティへの影響を最小限に抑えるよう場所が決められ、設計されるべきである。

 上記に加え、次の活動が考えられる。
  •  洗濯および共同衛生設備、給水所、食料の配給所、燃料の供給場所、医療および教育施設を生活・睡眠場所の近くに設置する。それが不可能な場合には、警備員を配置し、すべての歩道に十分な照明を設置することを通じ、特に夜間にそれらの場所を安全に利用できることを確保する。
  •  プライバシーの確保および望まない訪問者・侵入者からの保護を最大限に可能にする方法で避難所および生活・睡眠場所を設計する。
  •  法執行職員を通じ、また被災者コミュニティの中のメンバーで組織されたキャンプ・避難施設の委員会(居住者の性別および年齢構成を代表するもの)を通じ、安全を監視する(前述のA.4.1を参照)。

  A.5.3 最初の緊急段階が過ぎたときは、軍または武装集団によって設置されたキャンプまたは集団避難施設は、文民の当局または組織によって運営されるべきである。警察および治安部隊の役割は、安全の提供のみに限られるべきである。

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 A.6 遺体の取り扱い

  A.6.1 死亡者の遺体は、破損または切断を防ぎ、近親者への引き渡しを円滑にするため、回収され、身元が確認されるべきである。


  A.6.2 例えば、近親者を特定できずまたは近親者と連絡がとれず、遺体の引き渡しができない場合には、遺体は、将来の回収と身元特定を円滑にする方法で処理されるべきである。身元不明の遺体の火葬は避け、将来身元を特定し家族への引き渡しを行うまで、遺体を一時的に保管し、または埋葬するべきである。

  A.6.3 遺体の処理に関する地域の宗教的および文化的慣習および信仰を当初から考慮に入れておくべきである。遺体の処理は、死亡者およびその家族の尊厳とプライバシーを尊重した方法で行われるべきである。葬儀場および墓標を冒涜または撹乱から守るための対策が講じられるべきである。


  A.6.4 家族は、墓地または遺体が処理された場所に関して全面的に情報提供を受け、自由にその場所を訪問する機会を有するべきである。家族は、自らの宗教的および文化的な信仰および慣習に基づいて再埋葬しまたは火葬するため、遺体を回収する機会、また必要に応じて慰霊碑を設け、宗教的儀式を執り行う機会を与えられるべきである。


 特に、次の活動が考えられる。
  •  災害で死亡した人の数、年齢、性別、民族および宗教を特定するための包括的な調査または登録手続きを実施する。死亡者の身元確認を円滑にするため、死亡前データ(AMD)の適切な収集および管理を身元確認プロセスに組み込む。
  •  集団埋葬またはその他の処理作業を行う前に、遺体に番号を付し、その写真記録を残し、死亡者の詳細な情報(例えば、服装)を確認しまたは記録しておくようにする。写真以外にも、死亡者の所持品および書類、遺体(例えば、指紋、歯科治療記録、特殊な医学的特徴、一般的な身体的特徴、DNA等)から割り出された死後データ(PMD)と死亡者の死亡前データ(AMD)の照合に基づく法医学的な身元特定方法を用いることも考えられる。
  •  集団処理の場合には、次の活動を行う。
    • 被災地域を対象として、遺体の特定手続きに関して被災者が理解できる言語および方法で情報を伝える広報活動を実施する。提供される情報は、遺体の写真および関連文書が閲覧可能な場所、死亡者の所持品および書類の保管場所、ならびに法医学的調査の行われている場所を特に示すべきである。
    • 遺族から要請があった場合には、親族の行方不明に関する法的および民生的な問題を解決できるよう、死亡証明書を早急に発行するための緊急の法的および行政的対策を講じる。このような対策は、被災家族の権利(尊厳に対する権利、真実を知る権利、および親族の遺体が発見された場合に遺体を回収する権利を含む)を制限し、害するものであってはならない。
  •  集団葬儀を行う場合には、次の事項に留意する。
    • 遺体の混同を避ける。
    • 墓地に埋葬される各遺体の位置を示すとともに、図示した資料を作成する。
    • 集団墓地の場所を被災コミュニティの人々に知らせる広報活動を実施する。
  •  災害で死亡した外国人の家族が遺体を確認し、本国に送還することを支援するにあたり、外国の領事館、大使館および国際刑事警察機構(INTERPOL)との緊密な連携を確保する。
《事前準備の対策》
  •  身元特定手段を迅速に確保するための使い捨てカメラを備蓄しておく。
  •  身元特定用の書式を用意しておく。
  •  遺体安置所・その他の低温保管場所および集団埋葬に適した場所を特定する。

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