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目 次(←クリックすると原告準備書面(21)の目次に戻ります) 第8 まとめ(本件の損害評価のため本来的に必要なこと) 1 被告東京電力の主張の不当性 2 本件では,原告らが侵害された人格的利益を慰謝料として評価することが求められていること 第8 まとめ(本件の損害評価のため本来的に必要なこと) 1 被告東京電力の主張の不当性 以上の次第であるから,中間指針追補および同第二次追補に示された区域外避難者に対する賠償の基準は,その対象者の範囲においても,賠償すべき項目および金額の水準においても,極めて不十分な範囲に限定されており,裁判における基準として合理性,相当性のあるものとは言えず,これを裁判においても尊重すべきとの被告東京電力の主張は採用し得ない。 言うまでもなく,訴訟における損害,とりわけ慰謝料額の評価は訴訟上に現れたあらゆる資料に基づく裁判官の合理的な心証に委ねられる事項であって,中間指針等に拘束されるものではない。原告らの主張は,かかる前提に立った上で,なお,合理的な心証形成に当たって尊重すべき基準ともならないことを述べたものである。 2 本件では,原告らが侵害された人格的利益を慰謝料として評価することが求められていること 原告準備書面20でも述べたとおり,原告らが被った精神的苦痛や被害は,より本質的な損害総論の議論の中で捉えられなければならない。 原告準備書面(11)でも述べているとおり,被害者らは本件の原発事故により,包括的生活利益としての平穏生活権という人格的利益を害されている。 中間指針追補は,精神的損害の賠償を日常生活において個々の被害者の行動が制約されることによる精神的苦痛等と捉えている。しかし,本件における平穏生活権等の侵害は,単に日常生活における行動の自由が制限されたというだけでなく,平穏な生活が害されることで,日常生活における人格の自由な展開とそれにより得られる利益の享受をも害されていることが正しく評価されなければならない。人々が社会のなかで行動し,利益を享受するとの観点からみたとき,日常生活から得られる利益は,被害者が属していた地域社会(コミュニティー)で行動し,そこでの生活から得られる利益を享受することができるということも含まれる。その被害は,人生全体に及ぶものであり,限定的に捉えることはできない。本件の慰謝料は,包括的な生活利益が広く害されたことに対するものとして評価されなければならないのである。 このような人格的利益の侵害は,避難等に関する政府指示の有無にかかわらず生じているのであり,この点において区域外避難者等の被害を軽く評価すべき理由は何ら存しない。 以 上 △ページトップへ 原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会 〒612-0066 京都市伏見区桃山羽柴長吉中町55−1 コーポ桃山105号 市民測定所内 Tel:090-1907-9210(上野) Fax:0774-21-1798 E-mail:shien_kyoto@yahoo.co.jp Blog:http://shienkyoto.exblog.jp/ |
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