この度,京都地裁は,区域外避難者からの訴えに対し,画期的な判決を下しました。
提訴から4年半経ちましたが,この間,避難者訴訟をご支援頂きました全ての皆さま方にお礼を申し上げます。
京都地裁の判決書には個人の氏名,住所が記載されていますが,その部分を除いて全判決文をここに掲示します。
個人の被害状況についても公開されることについて不安を感じる方々もおられることですから,私たちの考え方をご説明いたします。
区域外からの避難者が存在することや,その被害の状況は,いまだ市民の多くに認識された問題とは言いがたいのが現状です。
被害者が声を上げることでしか,被害が救済されることはありません。不条理にも感じられますが,これは,過去の公害裁判,薬害裁判で繰り返し実証されてきた真実です。
裁判での闘争とは,公開の法廷で裁判所に被害を訴えるということです。
民事訴訟法は,閲覧制限の手続で秘匿される個人の氏名,住所等を除いて,誰にでも訴訟記録の閲覧ができることを認めています。
また,実際にもこうした社会的耳目を集めた判決は,原告被告の意見を聴くことなく,裁判所から判例雑誌に提供されたり,あるいは,裁判所自らがホームページに掲載をするのです。
私たち弁護団は,この判決書が公開されることによって,避難者の苦難が広く知られること,また,学者によって研究され判決についての理解が深まることや今後の訴訟活動に資することを期待しています。
もちろん,私人のプライバシーは大切に保護されるべきです。判決書には個人を特定できる情報は含まれておりません。もしも,興味本位に個人情報を暴こうとする不埒な輩がいれば,徹底して断固たる法的措置に訴える決意です。 |