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2017年度決算(期間2017年1月1日~2018年3月末) 規約
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- 当会の目的、活動内容
2011年4月に、当会スタッフの一人が福島県会津若松市に開設された避難所の運営支援に参加したことをきっかけに、京都府内に多くの方が避難してきていることを知った。そして、避難者の多くは京都府内に知人もなく孤立している状況にあることがわかり、同年5月から避難者同士、避難者と支援者の交流とネットワーク作りを始めた。
本会は、東日本大震災、福島第一原発事故により京都府内に避難してきた家族が、避難先で当たり前の生活をすることができるように支援していくことを目的に結成され、以下の活動に取り組んできた。当会の活動をはじめてから7年が経過しようとしているが、広域避難者をとりまく状況はますます厳しくなっており、避難の継続・移住生活の安定にむけた多面的なサポートが必要である。
- 避難者同士、避難者と支援者が交流できるイベントの開催
- 避難生活の様々な問題を相談できる相談サロン「ほっこりカフェ」の毎月開催と週一回の「避難者相談窓口」(電話・来所相談)の実施
- いのちとひなん生活をまもる京都(民間)公聴会を開催し避難者が求める支援策をとりまとめ、国や福島県、避難先自治体と話し合いを行う
- 「避難者こども兼行相談会きょうと」の参加団体として、低線量被ばくによる健康被害に関する相談会やセミナーを開催
- 原発事故による放射能の影響のある地域で生活している家族に対する保養事業の実施
- 福島の現状を正しく理解するために「福島の今を知る」交流会を実施
- 避難世帯の中学3年生が希望する高校に進学するための学習講座の開催
- 市民に支援を呼びかける活動
- 避難者支援活動の課題
- 放射線被曝による健康被害を回避するため、避難生活の継続や移住を決断している避難家族も数多くいるため、避難先での安定した生活の確保にむけた多面的な相談・支援が必要である。
- 長期化する避難生活の中で孤立しがちな避難家族もいることから、避難者同士、避難者と地元住民の交流を図ることが必要である。
- 原発事故避難者の中には、放射線被ばくによる健康被害・健康不安を抱えている方も多く、放射線被ばくによる健康影響について正しい知識を身につけ、健康管理に役立てることが必要である。
- 国と福島県は避難用住宅の無償提供を2017年3月末で打ち切り、県独自の支援策に移行した。
京都府・市は「入居日から6年」の無償提供を維持し、京都市は、継続入居を希望する避難世帯に対して有償での入居継続(市営住宅への正式入居)を認めた。京都府は、2019年3月末を限度に有償での継続入居をみとめ、1年目支援策として家賃の半額補助を実施し、2年目支援策としては、収入に応じて10%、35%、50%(最低家賃5,0000円)を補助するとしている。
福島県の支援策も、避難先である京都府の支援策も2019年3月末限りとなるため、安定した住まいの確保のために引き続き取り組んでいく必要がある。
- 長期化する避難生活を守るために、避難者が必要とする支援・援護施策をとりまめ、国や福島県、避難先自治体と意見交換を行う事が必要である。
- 福島への帰還を考えている避難世帯が、福島の現状を正しく知るための活動が必要である。
- 避難世帯の中学3年生の中には、高校進学にむけた学習支援が必要な児童がいる。
- 市民に原発事故被災者の実情を知らせ、避難者への支援・連帯を呼びかける活動が必要である。
- 2017年度の活動のまとめ
【具体的な活動内容】
- 避難者交流イベント
京都府内に避難している避難者同士、避難者と地元市民の交流をはかるために、次のイベントを開催した。
(1)2017年4月1日(土)第4回桜まつり&交流会
場 所 桃山東合同宿舎集会所
参加者 避難家族と地元の支援者合わせて約40名が参加。
(2)2017年7月28日(金)第3回木津川バーベキュー交流会
場 所 京都府南部共済住宅周辺
参加者 避難家族と地元支援者を合わせて約30名が参加。
- 避難者相談サロン「ほっこりカフェ」の開催
避難者が多数居住している京都市伏見区内で、有資格者の相談員が主催する「ほっこりカフェ」を開催し、避難者の交流、相談を実施した。毎回、7~10名の参加があった。
●相談員 高木久美子(資格:生活困窮者自立支援相談員)
- 2017年4月19日(水) 参加者7名
- 2017年6月21日(水) 参加者9名
- 2017年7月26日(水) 参加者8名
- 2017年8月30日(水) 参加者10名
- 2017年9月20日(水) 参加者6名
- 2017年10月25日(水) 参加者7名
- 2017年11月22日(水) 参加者7名
- 2018年1月31日(水) 参加者9名
- 2018年2月28日(水) 参加者8名
- 避難者相談窓口の開設
選任の相談員を配置し、週1回(基本は水曜日)の「避難者相談窓口」(電話・来所相談)を実施した。2017年度は年間延べ46件の相談があった。内訳は、電話18件、メール3件、来所20件、家庭訪問5件となっている。
*相談実績は、別紙「2017年度電話・来所結果一覧」を参照のこと
- ひなん生活と住まいの安定を求める取り組み
(1)ひなん生活と住まいの相談会
京都府の2年目支援策についての説明&相談会を開催し、6名が参加した。
- 2017年12月9日(土)14:00~16:00 京都・市民放射能測定所(会議スペース)
(2)京都府災害支援対策本部との話し合い
無償提供終了後の京都府の1年目支援策についての課題共有と2年目支援策の実施にむけた話し合いを行った。
- 実施日 4月25日、8月15日、11月13日、12月15日
- 実施場所 南部共済住宅内
- 入居後6年の無償提供終了後の京都府支援策については、別紙参照のこと
- 「避難者こども健康相談会きょうと」の取り組み
当会が団体参加している「避難者こども健康相談会きょうと」は、年2回の健康相談会と講演会・セミナーを開催している。当会は参加団体として講演会、セミナーの運営を担っている。講演会・健康セミナーでは、チェルノブ原発事故後の健康被害の状況や、放射線被ばくによる健康影響について科学的な知見を深めることができ、避難世帯の健康管理に役立てることができた。
(1)菅谷昭さん(松本市長)講演会
2017年7月1日(日) 龍谷大学 参加者約70名
- 避難者のお話(Sさん)
- 講演 原子力災害による健康および環境への長期的影響―チェルノブイリ31年、福島6年が経過して―
講師 松本昭さん(松本市長、医師)
(2)第10回健康相談会・セミナー
2017年11月26日(日) 聞法会館 参加者約40名
- 講演 福島の小児甲状腺がん、周産期死亡について、線量について
講師 山本英彦さん(医師・医療問題研究会)
- 講演 乳歯をとっておいてストロンチウム90を調べましょう
講師 松本英介さん(岐阜環境医学研究所長・医師)
- 「福島の今」を知る交流会
(1)福島と京都をつなぐ親子交流会
2017年8月20日(日) 顕道会館 参加者親子で約40名
「避難者こども健康相談会きょうと」(当会は団体参加)が、さぽーと紬やNPO法人和、笑顔つながろう会などと協力して実施した6日間の短期保養事業の中で、「福島の今を知る」ことを目的に親子交流会を開催した。
- 福島県などから参加したお母さん(6名)を囲み、交流・意見交換を行った。また、ミニ「地蔵盆」を行い、福島と京都の子どもの交流を行った。
(2)原発事故から6年、福島の今を知る交流会
2017年12月6日(日)18:30~20:30 京都市呉竹文化センター・会議室 参加者約20名
- スライド写真とお話飛田晋秀さん(福島県三春町在住の写真家)
今なお避難指示が出されている地域や解除された地域の写真を見ながらお話を聞いた。
- 2017年度・避難世帯の中学3年生を対象とした高校受験勉強会
(1)実施日時など
- 講師吉田耕平(大学非常勤講師)講師補助(見守り):上野益徳(当会スタッフ)
- 受講生4名(男子2名、女子2名)
- 実施日(計21回) 7/23、30、8/14、15、16、9/9、10、23、10/9、29、11/23、12/17、24、28、1/5、13、21、27、28、2/4、24
【以下省略】※報告はこちら3~4ページをご覧ください。
- 市民に広く情報を知らせる活動
(1)ホームページでの情報発信
- 業者委託により、実施事業について当会ホームページでイベントの情報発信をおこなった。
【成果と課題】
(1)避難者と地元市民の交流と相談の場である「ほっこりカフェ」は、毎回7~10名の参加があった。継続して開催することで、避難者の「駆け込み寺」のような存在となっている。
(2)専任の相談員による「避難者相談窓口」を週一回程度開設した。電話による相談だけでなく、来所や家庭訪問による相談も増加してきた。深刻な相談や継続的な相談も増加している。避難者に対する案内・告知をより積極的に行うとともに、関係機関とのさらなる連携が必要である。
(3)国と福島県による避難用住宅の無償提供の終了後も、避難者の住まいの安定を求めて、避難先自治体である京都府との話し合いを行ってきた。京都府として、無償提供終了後1年目に加えて、2年目についても独自の支援策を実施するという回答を得ることができた。
(4)今年度は、京都新聞社会福祉事業団福祉活動助成、京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金、京都木津川マラソン復興支援、こんどプロジェクトから助成を得ることができたが、事業規模の拡大により支出も増加しているため、財政的には苦しい状況である。会員の拡大を始め会の独自財源づくりが大きな課題となっている。
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*事業年度変更に伴い15ヶ月予算となっています!
1.収入の部 2018年3月31日現在
費目 |
今年度予算 |
今年度決算 |
増減 |
備考 |
繰越金 |
3,201 |
3,201 |
0 |
前年度からの繰り越しはなし |
会費 |
20,000 |
20,000 |
0 |
会費一口1,000円×20口 |
参加費 |
200,000 |
50,900 |
-149,100 |
報告会参加費5,500円
桜祭まつり19,500円
木津川バーベキュー14,500円
福島の今を知る交流会11,400円 |
寄付金 |
400,000 |
231,324 |
-168,676 |
団体・個人からのカンパ |
助成金等 |
1,199,000 |
2,017,000 |
818,000 |
京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金
(2,016年度539,000円、2017年度概算払200,000円)
京都府市町村振興協会(38,000円)
京都新聞社会福祉事業団・運営助成
(2016年度100,000円、2017年度200,000円)
京都木津川マラソン
(2016年度20,000円、2017年度20,000円)
京都府共同募金会
(2016年300,000円、2017年度300,000円)
こんどプロジェクト300,000円 |
その他収入 |
5,000 |
1 |
-4,999 |
利息など |
役員負担 |
50,000 |
50,000 |
0 |
年度初めの運営資金として |
借入金 |
0 |
21,550 |
-21,550 |
不足分を代表から借り入れ |
合計 |
1,877,201 |
2,393,976 |
-516,775 |
|
2.支出の部
費目 |
今年度予算 |
今年度決算 |
増減 |
備考 |
報償費 |
850,000 |
743,500 |
-106,500 |
ほっこりカフェ、電話・来所相談・家庭訪問
相談員謝礼
公聴会講師謝礼・交通費
健康セミナー講師謝礼・交通費
中学3年生勉強会講師謝礼
(年間20日程度、2017年1月~3月分を含む) |
事務局等旅費 |
120,000 |
0 |
-120,000 |
*執行なし
|
使用料 |
80,000 |
34,662 |
-45,338 |
イベント会場費
レンタルサーバー料金
駐車場料金 |
食糧費 |
30,000 |
43,341 |
13,341 |
飲食模擬店の材料費、飲料費 |
消耗品費 |
30,000 |
70,289 |
40,289 |
事務用品、イベント関係消耗品
中3勉強会教材費6,392円 |
印刷製本費 |
50,000 |
591,456 |
541,456 |
公聴会パンフ211,464円
健康相談会パンフ
イベントチラシ印刷費など |
通信費 |
40,000 |
94,048 |
54,048 |
郵送費等 |
委託料 |
77,000 |
77,000 |
0 |
ホームページ作成・運営費
開設時(27,000円)、年間契約(50,000円) |
書籍・映像
資料購入費 |
10,000 |
0 |
-10,000 |
*執行なし
|
備品購入費 |
93,000 |
168,600 |
75,600 |
パソコン46,000円
プリンター102,600円
冷蔵庫購入分担金20,000円 |
家賃 |
150,000 |
150,000 |
0 |
共同事務スペース使用料(月額10,000円×15月) |
返済金 |
320,000 |
320,000 |
0 |
前年度借入金320,000円を2,017年度で返済 |
その他の支出 |
24,000 |
101,080 |
77,080 |
関係団体への助成金
健康相談会50,000円
振り込み手数料1,080円 |
次年度繰越 |
3,201 |
0 |
-3,201 |
|
合計 |
1,877,201 |
2,393,976 |
516,775 |
|
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