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★ 準備書面(41) ―土壌汚染と管理区域,クリアランスレベル― 
 第4 土壌採取の方法等 
平成28年6月22日

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第4 土壌採取の方法等
 1 土壌採取の方法
 2 測定方法
 3 平米あたりベクレル数への変換方法



第4 土壌採取の方法等


 1 土壌採取の方法

 原告らのうち,避難元住所近くにおけるモニタリングポストの数値によれば年間あたりlmSvを超える空間線量が確認できない者について,原告ら代理人が専門家の協力を得て,当該地域の土壌を採取した。
 資料は長さ5センチメートルの鋼管をハンマーを用いて地面に埋入させる。
 管の上部が地面まで達したら,スコップを用いて管を掘り出し,管内に収容された土壌をビニール袋に入れて資料として保管する。資料は,1地点について2個ずつ採取をした。
 土壌採取にあたっては,避難元住所の近隣において携帯型の空間線量測定計を用いて空間線量が比較的高い地点を特定し,同地点を土壌採取ポイントとした。土壌採取ポイントは,可能な限りGPS装置によって正確な位置を測定した。


 2 測定方法

 採取された資料は,NaI(Tl)検出器によってセシウム134とセシウム137とを測定した。


 3 平米あたりベクレル数への変換方法

 NaI(Tl)検出器による放射性物質の測定は,キログラムあたりで結果が表示されるので,そのままでは当該資料の採取された地面の平米あたりの放射性物質の量は分からない。
 そこで,下記の方法によって数値の変換を行っている。
 前提として,今回,採取した土壌は,いずれも地表面から5センチメートルまでの深さで採取をしている。そして,土壌の密度は,平均的な土壌の密度の値を採用することとし,1立方センチメートルあたり1.3グラムと仮定する。
 土壌1キログラムに相当する体積は
体積(cm3)=1(kg)/1.3(g/cm3
から約769cm3と求めることができる。
 土壌採取の深さが5センチメートルであるので,その面積は,体積を深さで除することにより
面積(cm2)=約769(cm3)/深さ5(cm)=約154cm3
と求めることができる。
 よって,Bq/kgに相当する面積はBq/154cm2となり,これを単位面積あたりに直すと約65Bq/m2となる(以上の算出過程については,日本保健物理学会「暮らしの放射線Q&A」甲D共154号証)。

以上

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