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★ 原告準備書面(14) −SA対策に関する求釈明に対する回答− 
平成27年5月19日

  原告提出の準備書面(14)(pdf)

目 次

第1 釈明事項に対する回答
 1 求釈明事項(1)について
 2 求釈明事項(2)について
 3 求釈明事項(3)について
 4 求釈明事項(4)について
 5 求釈明事項(5)について
 6 求釈明事項(6)について

第2 その他



第1 釈明事項に対する回答


 1 求釈明事項(1)について

 回答:「設計基準事象を逸脱する外部事象」は,設計基準事象を逸脱するすべての外部事象である。
 もっとも,原告ら主張の「SA予見対象事実」は,外部事象そのものを予見の対象とはしない。


 2 求釈明事項(2)について

 回答:被告東電は,原告らにおいて「設計基準を大幅に逸脱する外部事象事態を予見すべき」と主張していることを前提に本求釈明を行っている。しかし,繰り返しとなるが,原告らは,設計基準を大幅に逸脱する外部事象を予見対象であると主張しているわけではない。


 3 求釈明事項(3)について

 回答:求釈明事項(2)と同じである。原告主張の「SA予見対象事実」は,外部事象そのものを予見の対象とはしない。

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 4 求釈明事項(4)について

 回答:原告らは,設計基準事象を大幅に逸脱する事態そのものを予見可能と主張するものではない。
 PSA,前兆事象(ASP)評価等の手法によって特定される「設計基準事象を大幅に超える事象であって,安全設計の評価上想定された手段では適切な炉心の冷却または反応度の制御ができない状態であり,その結果,炉心の重大な損傷に至る事象」がSA対策についての過失における予見可能性の対象となる事実である。
 原子力発電所における安全系は,想定される外部事象(地震,津波等)に基づいて設計される。その場合,かかる安全系が十分であったか否かは,想定される外部事象について予見可能性が問題とされる。
 しかし,PSA等の手法によるシビアアクシデント対策は,これとは全く発想を異にする安全対策である。


 5 求釈明事項(5)について

 回答:「電源対策」及び「最終ヒートシンク対策」を措定する根拠は,平成4年段階ですでに原子炉安全基準専門部会の報告において「全交流電源喪失事象」及び「崩壊熱除去機能喪失事象」が安全機能を回復させるための様々な対策の整備が必要な事象,すなわち「対策を講ずべき事象」として挙げられていることである(甲C1号証6頁)。


 6 求釈明事項(6)について

 「確率論的安全評価手法により『炉心損傷に至る事故シーケンスを想定して行った対策が奏功しないこと』をも,事故シーケンスとして対策を求めるものであるか」との求釈明の趣旨が不明確であるため回答できない。


第2 その他

 残余のリスク概念,PSA手法,ASP等,シビアアクシデント対策の注意義務を考える上で必要な要素等については,別途主張をする。

以上

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