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★ 「原告と共に」No.49 2025年1月発行 

● コンテンツ


●6・16最高裁共同行動 1200人のヒューマンチェーンで最高裁を包囲

     

 去る6月16日、原発事故の国の責任を否定した6・17最高裁不当判決を正そうと全国から1200人が集まり、最高裁をヒューマンチェーンで包囲し、抗議の声をあげました。京都からも16名が参加しました。
 主催したのは、「6・17最高裁共同行動2025実行委員会」。昨年、京都訴訟原告団も加盟する原発被害者訴訟原告団全国連絡会を中心に、福島原発刑事訴訟支援団、東電株主代表訴訟、ひだんれん、公害総行動実行委員会など16団体が実行委員会を結成し、6月17日に最高裁包囲のヒューマンチェーンを成功させましたが、今年は実行委員会への参加団体が6団体増え、22団体となりました。
 最高裁前では、神奈川から参加した「未来のための合唱」のみなさんが「民衆の歌」を演奏する中、参加者が続々集まってきました。
 正午、太鼓を合図に集会がスタート。共同代表の水戸喜世子さんが「判決が出るたびに嘆くのはやめましょう。腐った現状を変える力を持っているのは、主権者である私たち以外にない」と開会宣言。
 それ以降、20団体からのスピーチを交えながら、参加者がとなりの人と手をつなぎヒューマンチェーンを3回にわたって完成させました。
 最後に、「私たちは決して諦めません。…司法があるべき姿を取り戻し、かけがえのない人権が守られるまで、手を繋いで闘いを続け、次世代にバトンを繋いでいくことを改めて誓います」という集会宣言を採択して行動を終えました。
 当日集めた参加者の感想文には、「最高裁に対する怒りを再確認。怒りを共有して嬉しいです」「参加して良かったです。この直接行動が大切であると思います」「暑くて大変だったが、頑張ってすべての不条理と闘う人々がたくさんいることを確認し、元気になるし明るくなれる」

        

◆前日にはプレ企画も
 15日には日本環境会議主催の市民シンポが明治大学駿河台キャンパスで開催され、200人定員の会場に入りきれない人で埋まりました。
 安原幸彦弁護士は自ら関わった裁判を例に、被害当事者が前面に立って声をあげる闘いは世論を喚起し、困難な局面を変える力となるなどの教訓を語りました。ジャーナリストの後藤秀典さんは「司法崩壊」の現状を述べると共に「共同行動は最高裁を変える力になっている」と参加者を激励しました。
 そのあと、近くの錦華公園に集合し、約200名が秋葉原方面までデモを敢行しました。

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●最高裁共同行動参加者の感想

◆原告・池田理沙さん
 ごきげんよう。いつでも独りLIVE
中(広い意味でね)&人生50年で良いと思う池田です。
 久々に活動出来ました。6/16共同行動。前日は公開市民シンポジウム、雨上がりの東京は暑かった…。
 15日は明治大学へ、学内は9F。小林さんと堀江さんと合流できて署名集めを手伝い、先生方のお話に司法の歪みを感じました。その後は錦華公園からのデモ行進、先頭と後方のコールとナレーションに被りが生じているのが現場でも、UPされた動画を見ていても気になりましたね。
 翌朝ガストで朝食と甘いモノをガッツリチャージ。炎天下で3時間弱対策ですね。電車で永田町駅へ。物を持っての電車移動がこれ程大変だったとは…。日々支援下さる方々に感謝です┏○┓
 最高裁包囲行動ですよ。最高裁の敷地って南側が石垣になってるんですね、その上に更に木が生えている、お城みたいに。その下に並んで旗を起てて訴えを叫ぶ(スピーチ、共通コール)のですが、それがとても高く感じましたね。見上げるくらいしなきゃ声は向こうに届かない。壁だなと思いましたね。ヒトが創ったね。
 今回初めて共同行動に参加しました。ヒューマンチェーンは1,154名だったとか。これが喜ぶべき数字なのかは解りませんが、ヒメネスダマリー報告書の「避難者が東電よりも公平だと信じている」とした司法が歪められている現状が進退なく過ぎて行くのを静観したくはないと思いましたね。

◆原告・川ア安弥子さん
 昨年12月18日の大阪高裁での不当判決を受けて、何か心にぽっかりと穴が空いてしまったようになっていた私ですが、ヒューマンチェーンの会場で、様々な訴訟で闘い続けている原告の皆様、支援者の皆様の力強い「笑顔」や青い空に映える色とりどりのバナーに「またここから頑張ろう」と胸が熱くなりました。
 不当判決が出されても、原発事故による被曝から命を守るために避難し、それを長期に渡って継続しなければならないことは事実なのだから、今後とも諦めず、歩み続けたいと思います。
 この日のために、ご尽力くださった皆様に心より感謝申し上げます。
  
◆原告・匿名さん
 最高裁共同行動を通して、感じることと学ぶことがたくさんありました。同じ状況で苦しみ、同じ思いで闘っている人がたくさんいることを、普段以上に痛感した2日間でした。年に1度東京に集まる意味の1つではないかと思います。あんな最高裁判決が出なければ一番よかったのですが…。
 シンポジウムで、原発事故は国際問題だという言葉がありました。本当にその通りだと思います。福島だけ、日本だけの問題ではない中で、日本人がいかに原発や事故に対して問題意識を持っていないかが再確認しました。それをどう克服していくのか、もっと考えを深めていきたいです。
 またデモと最高裁前の行動を通じて、もっと広い世代に問題意識をもって自分の言動に繋げてもらうには、アピール方法等の工夫が必要ではないかと感じました。理解しやすく、少しでも関心を持ってもらうためにはどうしたら良いのか。答えはまだ自分でも見つけられていないのですが、小さくてもできることがないか考え続けるつもりです。
  
◆原告・小林雅子さん
 6月16日の最高裁包囲ヒューマンチェーン共同行動と前日15日に開催されたプレ企画の公開市民シンポジウム『「人権と司法」〜揺らぐ最後の砦を前にして』に参加しました。
 15日のプレ企画で基調講演をされた安原弁護士の『裁判で勝っても、問題が解決されない原爆症裁判と裁判では負けても被害者救済がされた中国残留孤児問題』そして『被害者救済のためには国会対策、マスコミ対策が重要』というお話を聞きました。6・17判決以降『負け』が続いている原発賠償訴訟ですが、原子力村が、マスコミ、世論誘導、ロビー活動にかける膨大な金額のことを考えると、絶望的な気分になりますが、それでもあきらめずに声をあげて各方面に働きかけて行くしかないのだなぁと思いました。
 シンポジウム終了後のデモでは、突如コーラーを仰せつかり、お茶の水から秋葉原までデモ行進をしました。『原発事故は国の責任??』等々コールしているうちに、司法、行政、この国のあり方に『ふざけんなよ、この野郎』と怒りが再燃しました。
 翌日16日の最高裁包囲ヒューマンには、1200人が最高裁を取り囲みコールをしました。暑い中、約2時間立ちっぱなしは正直、しんどかったですが、最高裁のロビーで、おかしな方向に傾いている女神テミスの天秤が、『きちんと元の位置に戻れ??』という願いを込めて要塞のような裁判所に向かって叫びました。
 今回の最高裁包囲ヒューマンチェーンとプレ企画は去年12月18日の大阪高裁判決で、小さくなっていた私の闘志に怒りの燃料をチャージしてくれたイベントでした。
  
◆原告・高木久美子さん
 最高歳包囲行動に参加してきました。
 2022年6月17日の初の最高歳判決の日は期待をしながら私と小林さんも参加しましたが、国の責任はないと言う判決に愕然とした事を忘れられません。
 昨年12月の私たちの高裁判決も自暴自棄になりそうな位の悔しい判決でした。被害を被った多くの者達の訴えを敗訴にし、国の責任はないなどと司法の判決で世の中は福島原発事故を大した事故ではなかった?と捉えられているようで、怒りと諦めとモヤモヤした気持ちがぐるぐる回ります。6・17判決以降、あちらこちらで敗訴が続いており、この国のシナリオを誰が作り、弱いものを置き去りにしようとしているのだろうかと探し回りたくなります。
 最高裁包囲行動の熱気と昨年以上の1200人の参加者でその民意の大集合の渦に入れて、自分の思いは間違っていないと再確認できよかったです。京都原告団の仲間や支援の皆さんの変わらない思いが伝わり気持ちも上がります。炎天下の中でしたが、力強くみんなで大きな声でコールし、自分が今できることを微力ではありますがその時間、精一杯やったと思います。ありがとうございました。
  
◆原告・萩原ゆきみさん
 前日15日はデモがありました。雨降り予定でしたが、私達がデモに行く前に雨が降り止んだので、何かに応援されているような気がして嬉しかったです。この日は京都訴訟原告団からは9人の参加でした。
 16日の最高裁包囲行動は福島県内の団体さんの次に多分人数が多かったのは京都訴訟だったと思います。長女も徹夜明けに仮眠をとって途中からでしたが参加してくれました。支援の会の皆さんと原告の皆さんを含めて総勢16人以上も参加して下さいました。とても心強く嬉しかったです。
 各地の原発賠償訴訟団だけでなく、他の裁判の団体だったり、汚染水反対の方々がプラカードを並べたりされていました。元気に歌ったり、マラカスを振ったり、ピンク色の風船を並べたりと、様々な形で皆でアピール出来たので目立つ事が出来ました。昨年よりも参加人数も多く盛り上がりました。各訴訟団での不当判決が相次いでいたので、皆さんが「とても気落ちしているのではないか?」と不安でしたが、そのような雰囲気は感じませんでした。むしろとても頼もしく感じました。
 今回の最高裁包囲行動を切っ掛けに「京都訴訟が6・17判決とは違って津波の長期評価を認められたように、最高裁でも弁護団の皆さんにねばり強く国を追及していただき、国の責任を認められるよう」食い下がっていこうと思います。
 このように最高裁包囲行動が盛り上がったのも、訴訟活動に御心をお寄せ下さる全ての皆さんのお蔭です。いつも本当に有難うございます!!
  
◆原告・福島敦子さん
 今年7月31日。福島第1原発の爆発に伴う事件で神奈川県へ避難した5世帯の原告が国と東電を相手に賠償請求している賠償訴訟の判決日でした。横浜地裁は国の責任を認めない判決を言い渡しました。かながわ訴訟の第1陣地裁判決では貞観津波到来に基づいた知見による予見可能性を認めていましたが、今回の2陣判決はこの知見すら「要調査」とし、判決を伝えるやいなや3人の裁判官がそそくさと法廷をあとにしたとのことでした。傍聴していた人たちが大きな衝撃を受けたと聞くに、「司法が最高裁の6・17不当判決に深く洗脳されている」現状に落胆し遺恨の念すら抱かざるを得ません。洗脳と思った理由には、井戸謙一先生、樋口英明元裁判官の共著「司法が原発を止める」に詳しいです。井戸先生は新任研修で「最高裁判決の拘束力」を長時間議論した記憶、樋口元裁判官は研修所の教官に「(新人研修性が加わる)合議体で、たとえば裁判長が24年間仕事をしていた人、右陪席は8年仕事をしていた人であればその24対8の重みがあるということを自覚しなさい」と言われ、「最高裁が判決するように判決しなさい」という話も違う場所で聞いたということが書かれていたことで着想はたやすいのです。忖度と洗脳と、そのあとにくる「三権連立」。
 今年で2回目を迎える6・17最高裁包囲行動は6月16日に行われ、被災者たち、その関係訴訟団そして、それらを支援してくださる幅広い方々と共にしました。ヒューマンチェーンは1200名の大きくて強い輪となり、力強いシュプレヒコールと抗議に満ちた音楽とともに最高裁判所を二重にとり囲みました。
 照り付ける日差しの下、実行委員であった私は、本部から熱気に満ちた雰囲気とみなさん一人一人の闘志に燃える顔を見ていました。この行動から、最高裁判所内の裁判官らは私たちの声を真摯に受けとめて、不当判決を自身のもとで覆していただきたいと思います。いよいよ京都訴訟も最高裁にて係属先を待っている状態です。これからも共闘していただければ心強いです。
  
◆原告・堀江みゆきさん
 15日のシンポジウムでは、ハンセン病、中国残留孤児、原爆症、HIV訴訟を担当されてきた安原幸彦弁護士の講演を聞きました。数年前の大阪で聞いた中島晃弁護士の「全面解決を実現するための闘う体制の確立」の話と重なる部分が多く、様々な根回しも必要ですが、「ここぞ」というタイミングや人との繋がりが、事態を一気に良い方向へ動かすことがあると感じました。そのためには、講演会でも言われていたように、国会対策やマスコミ対策はもちろん、世論の盛り上がりと広がりを作ることが重要だと改めて思いました。
 16日の最高裁包囲行動は、予想以上に暑くてかなりしんどかったのですが、発言者の声がよく聞こえ、一体感があったように思います。この行動では、久しぶりにお会いする方も多く、それだけでも元気をもらえます。同じ思いを持った人たちが全国各地から集まり、最高裁に向かって声を上げることは、仲間がいることを実感すると同時にとても力強く、本当に勇気づけられます。
 私は、大きな声で裁判所に向かい声を上げれば上げるほど、「何としても最高裁判決をひっくり返したい」、「諦めずに最後までやり切りたい」との思いを強くしました。この行動に参加できて本当に良かったです。
 集会やデモ、包囲行動と2日間を通して、参加者の多くは年配の方々で、この暑さはきっと堪えたことだろうと思います。私たち原告もそうですが、原発問題だけでなく、社会の様々な問題に対して幅広い年代の人がもっと関心を持ち、実際に参加し行動することが大切だと改めて実感しています。次の世代にも繋がるように、これからも共に頑張りましょう。
  
◆事務局・梅谷敦子さん
 6月16日の最高裁ヒューマンチェーンには行きたい、行かねばと初めて最高裁判所に向かいました。最高裁判所の建物が見え始め、何とも言えない威圧感のある建物に「あー私達はここと闘っているんだなぁ?長い闘いになるなぁ?」と。
 暑い中ほぼ休みなく続くスピーチ、歌。
 ヒューマンチェーンでは二段構えの石垣の上にある、見えない最高裁判所の建物に向けてシュプレヒコール。
 「大阪高裁では私達の声がよく届いていたんだろうなぁ、こっちはどうなんだろう」と思いながら声をあげました。
 3・11から14年。最高裁判所に行く事になるなんて。人生、何が転機になるかわかりません。
 水戸喜世子さんの「判決が出る度に嘆くのはやめましょう」の言葉が心に残りました。嘆いている時間がもったいない。多くの人々が自分事としての気付きを持ってほしいと改めて強く思いながら帰途につきました。
  
◆事務局・奥森祥陽さん
 まず、15日の市民シンポジウムで印象深かったのは、安原弁護士の基調講演です。ハンセン病、中国残留孤児、原爆症、HIV訴訟の4つの集団訴訟に関わってきた経験から、解決への道のりは四者四様であり、判決前に勝利和解したHIV訴訟や判決で勝っても最終解決していない原爆症訴訟などが詳しく報告された。各訴訟の共通点として、@国会・マスコミ対策の重要性、A政治家は計算半分・共感半分、B国会・マスコミ対策の良きアドバイザーを得ること、C政治家による恫喝・妥協誘導に毅然と対応してきたと指摘。各裁判毎の「勝負所」についての話は、大変興味深く参考になった。私たちの訴訟においても、最高裁判決がどのような内容になっても、解決要求が明確であれば、解決への道筋は必ず見えてくると確信することができた。
 翌16日は、1200人を超える人たち(京都からは16名)が手をつなぎ、最高裁を人間の鎖で取り囲みました。「猛暑の中、よく頑張った」という一言に尽きます。スタッフの方の水の差し入れには大感謝です。
 司法が良心と独立を取り戻すまで、闘いは続きます。「体調を整えて解決するまで頑張ろう」と改めて決意した行動でした。

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●6・17最高裁共同j行動 2025 集会決議

 司法よ、 国民の憂いは頂点に達している
                   
 現在の国民、将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託された「生命、自由、及び幸福追求に対する国民の基本的人権」と、電力会社の利益追求を天秤にかけ、どちらを守るのか。6月6日、東京電力株主代表訴訟で東京高裁判決が示した判断に、国民の怒りと憂いは頂点に達しています。司法は、いったい何を守ろうとしているのか、と。
  
 今日2025年6月16日、全国からここに参集してあげた私たちの声に、全ての司法関係者は素直に耳を傾けるべきです。それは、決して一部の者の杞憂ではありません。あたかも「力が正義である」と言わんばかりの世界の潮流が、この国の司法をも飲み込もうとしているのではないかと恐れ、目の前で展開されている現実に、怒りをこらえきれず、心の底から憂えている多くの市民・国民の声を代表するものだからです。
  
 昨年6月17日、私たちはここで、「6・17判決を正せ」「司法の独立どこ行った!」と訴えました。それは原発事故被害者訴訟に象徴される司法判断が、いまや「国民一人ひとりの命と生活を脅かしかねない危険水域に入った」という共通認識からでした。そして、司法は「本来の姿を取り戻せ」という切実な願いでした。それに司法は、どう応えたのでしょうか。
  
 東京電力福島第一原発事故は、幾十万の人々の日常だけではなく、かけがえのない命まで奪い、地域社会を破壊し、豊かな自然を百年単位で汚染し、15年経った今も、収束の道筋さえ見えません。人権をあらゆる形で侵し続ける未曽有の惨事です。原発事故は自然災害ではありません。明らかな人災です。想定外の地震と津波のせいにして「国に責任はない」とする6・17最高裁多数意見判決の判断に誰が納得するでしょう。これを改めようともせず、ひたすら追従し続ける下裁審。国の責任否定に止まらず、刑事裁判で東電の責任まで否定してはばからない最高裁。そこに通底するのは、日本国憲法が至上の価値として保証する「人権」の軽視ではないでしょうか。司法が拠り所とすべき「憲法に対する認識の劣化」が進行しているとしか思われません。
  
 これは原発問題に限ったことではありません。アスベスト、水俣病を巡る判断の退行、沖縄をはじめとする南西諸島の軍事要塞化、戦争を招きかねない安保法制、最低限の生活すら削ろうとする福祉政策などに共通するものです。暴走する行政の下でうめき声をあげている「人権」。それを守るのは誰か。司法がこの役割に応えられないとすれば、私たち市民・国民は一体どうすればいいのか。その悲痛な思いが、今日ここで上げられた声です。
  
 私たちは、決して諦めません。最高裁は正義の女神テミス像の掲げる天秤の傾きを、元に戻してください。司法に関わる全ての人の良心は、必ず生きていると信じています。理屈をこね回すのではなく、いま一度、目を拭って現実を見つめて直して下さい。そして人権を守って下さい。

 私たちは、司法があるべき姿を取り戻し、かけがえのない人権が守られるまで、手を繋いで闘いを続け、次世代にバトンを繋いでいくことを、ここに改めて誓います。
   
  2025年6月16日 
  6・17最高裁共同行動参加者一同

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●支援する会総会&学習講演会開く

 7月19日、支援する会総会&学習講演会を開催しました。
 昨年度は大阪高裁にコピペ判決を出させないように様々な取り組みをしました。
 5月22日の結審期日には裁判所一周の「300人風船パレード」を成功させ、それ以降、大阪高裁宛ての「1万人ハガキ運動」に取り組みました。
 また、避難者についての理解を広げるために映画「決断」の自主上映会を各地で開催しました。
 にも拘わらず、高裁判決はまたしても6・17判決のコピペでした。
 しかし、私たちは諦めません。今年度は「最高裁の不当判決は最高裁自身の判決で正す」を合言葉に、最高裁に対する要請行動、最高裁包囲の共同行動をはじめ、京都や関西圏での様々な共同行動に参加します。
 後半の学習講演会は、6月末に最高裁に提出した上告理由および上告受理申立理由の概要について弁護団から説明を受けました。「責任論」については森田基彦弁護士が、「因果関係」については田辺保雄弁護士が、「「損害論」については井関佳法弁護士が説明しました。
 この紙面ではその全てを伝えることはできないので、上告理由書と上告受理申立理由書については支援する会のホームページをご覧ください。

【2024年度活動報告】
〈2024年〉
  4月 7日 ふしみパレードの会・学習会&スタンディング(川崎・小山・福島、奥森)
    14日 大手筋署名行動(川崎・小林・小山・高木・福島、池村・奥森・橋本)
    16日 大阪高裁前宣伝&団体まわり(萩原・福島・堀江、奥森・神田・藤田)
    20日 原告・弁護士交流会(郡山市)…原告6名、ZOOM1名
    26日 京都団体まわり…ラボール京都(萩原・堀江、奥森)
  5月 1日 京都メーデー(萩原、奥森・中田)
     3日 憲法集会(小林・萩原、奥森・中田・橋本)
    12日 映画「決断」上映&支援する会総会
    22日 控訴審結審期日(大阪高裁)…300人風船パレード成功、28名の原告
        が出廷。
  6月 9日 老朽原発動かすな集会(大阪うつぼ公園。川崎・小林・堀江、奥森・菊池・
        登・橋本・藤田)
    15日 最高裁不当判決をただす関西行動(川崎・小林・堀江、奥森・中田・登・
        橋本・藤田)
    17日 最高裁包囲共同行動(川崎・小林・福島・堀江親子、上野・菊池・竹沢)
    28日 京都団体・労組要請行動(小林・堀江、奥森)
    21日 原告弁護士交流会&原告団総会(京都弁護士会館)
    26日 ZENKOワンデイアクション(大阪高裁一周パレード)
        (川崎・小林・萩原・堀江、事務局)
  8月 4日 原告・弁護士交流会(郡山市)
  9月26日 子ども脱被ばく裁判の最高裁要請行動(小林、上野)
 10月14日 関西団結まつり(小山・萩原・堀江、上野・奥森・菊池・佐藤・中田・
        橋本・藤田)
    18日 だまっちゃおれん愛知岐阜訴訟の最高裁要請行動(小林、上野)
         反戦集会(円山音楽堂。川崎、奥森・菊池・佐藤)
         さよなら原発伊丹集会(小林、登・藤田)
    29日 大飯原発差止訴訟(福島さん本人尋問。小林・堀江、梅谷・奥森・登・橋本)
 11月 3日 京都憲法集会(川崎・小林、白土、佐藤・中田・橋本)
         大阪憲法集会(萩原、藤田)
     9日 月桃の花歌舞団公演(小林・高木・萩原、中田・橋本)
    24日 判決前集会(京都弁護士会館。井原夫妻・川崎・小林・高木・萩原)
 12月 8日 とめよう原発依存社会への暴走(関電本社前。川崎・高木・堀江、
        藤田・橋本)
    14日 国連女性差別撤廃委員会の報告会(川崎・小林・園田・高木・萩原・福島・
        堀江、奥森・菊池・登)
    18日 控訴審判決(大阪高裁。原告25名が出廷)
〈2025年〉
  1月30日 ひだんれん政府交渉(小林)
  2月 2日 大阪高裁の不当判決は許さない 最高裁での勝利をめざす集い
         (京都弁護士会館)
    16日 チェルノブイリ・フクシマ京都の集い(福島・堀江、橋本)
  3月 8日 バイバイ原発きょうと(楓・川崎・小林・萩原・堀江、石田・奥森・菊池・
         佐藤・登・橋本)
        メモリアルキャンドルin向島(川崎・高木、奥森・神田・菊池・登)
        琵琶湖集会(福島)
     9日 バイバイ原発なら(福島)
    20日 阪急茨木市駅署名行動(堀江)

 *これ以外に大阪高裁前宣伝行動を定期的に実施。映画「決断」自主上映会を高の原、
  新田辺、京都市下京区、奈良市、喫茶Your、京都市向島、東大阪、綾部市、大阪市城東区、
  茨木市、福井市、木津川市で開催。

【2025年度活動方針】
 *最高裁の不当判決は最高裁自身の判決で正す!
 昨年12月18日に不当判決を出した牧賢二裁判長、島戸真・内田貴文両裁判官に対しては、「恥を知れ」と改めて強く抗議しておきたいと思います。
 牧裁判長らは、不当判決を出してそれで終わりかも知れませんが、私たちは終わることはできません。福島原発事故における国の責任を認めさせることは、避難の権利を認めさせ、損害を賠償させることに留まりません。京都訴訟の原告の中にも、既に健康被害が明らかになっています。原発事故被害者に対する健康手帳の交付、検診と医療の提供、健康被害に対する生活保障、健康維持のための施策、住宅提供、雇用保障等の恒久対策を政府に実施させるためには、国の責任を認めさせることが必要です。
 京都訴訟は第3ラウンドの闘いに入りました。上告・上告受理申立の原告数は39世帯94名、うち東電にも申し立てたのは、17世帯36名です。多くの原告が上告・上告受理申し立てを行いました。弁護団は6月末までに、上告理由書及び上告受理申立理由書を提出しました。今後、最高裁での闘いが本格的にはじまります。
 私たち支援する会は、「最高裁の不当判決は最高裁自身の判決で正す」ために、原告団・弁護団とともに全力で闘います。
  
(1)最高裁に対する取り組み
 @最高裁判所あて「6・17不当判決は最高裁自身で正してください」署名を全国に
  広げよう。
 A最高裁での係属小法廷が決まれば、京都訴訟として要請行動を行います。
 B先行する訴訟団が行う最高裁要請行動に積極的に参加します。

(2)国会議員への働きかけ
 @支援全国ネット等の協力を得て、関係する国会議員への働きかけを具体化します。

(3)政府・東電交渉について
 @原告(被害者)としての譲れない要求を再確認し、関係省庁、東電との交渉を具体化
  します。

(4)共同行動への参加
 @最高裁包囲行動に引き続き参加します。
 A全国・関西・京都の共同行動に積極的に参加します。
 ・脱原発京都(大飯原発差止)訴訟、バイバイ原発きょうと、チェルノブイリフクシマ京都の
  集い、老朽原発動かすな実行委員会、平和と民主主義をめざす全国交換会など

(5)被害の実相を広げるために
 @映画「決断」上映会&原告のお話会をさらに広げます。
 ・2024年7月〜12月の上映実績12会場・15回上映鑑賞者380名
 ・2025年1月〜 6月の上映実績3会場・3回上映鑑賞者58名
 A節目での集会や講演会を開催します。



●最高裁に上告理由書等を提出

 京都訴訟弁護団は、6月末に最高裁に上告理由書および上告受理申立理由書を提出しました。上告理由は、原判決(高裁判決)が憲法に違反している、原判決には理由の不備があるなどを指摘するもの。上告受理申立理由は、判例違背(原判決に最高裁の判例と相反する判断がある)や経験則違背などを指摘するものでなくてはなりません。ここでは、「責任に関する上告受理申立理由」の要旨を紹介します。

上告受理申立理由
◆判例と相反する判断
 不作為型違法行為(規制権限を行使しなかったことが違法行為にあたる場合)における結果回避可能性は、適切な作為義務があれば、損害発生を「相当程度」防ぐことができたかという「相当性」の有無により判断するのが判例の規範である。
 筑豊じん肺訴訟最判(最高裁判決のこと)は、「上記の保安規則の権限(省令改正権限等)が適切に行使されていれば、それ以降の炭鉱労働者のじん肺の被害拡大は相当程度防ぐことができたものということができる」とし、「保安規制の権限を直ちに行使しなかったことは違法」と判断している。また泉南アスベスト訴訟最判も、「局所廃棄装置…の設置により石綿工場の労働者が石綿の粉塵に曝露することを相当程度防ぐことができたと認められる」との判断を示し、規制権限不行使の違法性を認定している。
 このように、規制権限不行使の違法性判断のうち結果回避可能性について最高裁の判例は、作為による結果回避の可能性を「相当程度」(相当性)という基準で判断している。ところが原判決(大阪高裁判決)は、適切な作為義務を仮定したうえで「事故の発生を相当程度防ぐことができたかどうか」を判断することなく、「本件事故と同様の事故が発生した可能性が相当にある」と結論づけている。原判決を破棄差し戻すべきである。

◆伊方原発最判に違背する
 原判決は、予見可能性の判断基準には伊方原発最判の判示を引用し、規制者と事業者に高い安全性を要求し、予見可能性を認定した。ところが結果回避可能性においては、「一定の客観性、合理性があると考えられる科学的見解に接した場合は、これを取り入れるか否か慎重に検討しなければならない」との伊方原発最判が判示した規範は全く触れられていない。本件で「一定の客観性、合理性があると考えられる科学的見解」を有する結果回避手段とは、@安全裕度をみてO.P.(小名浜港工事基準面)+20mの防潮堤の施工、A防水扉等による水密化である。
 因みに6・17最判の三浦反対意見も結果回避可能性の判断枠組みにおいて伊方原発最判を引用している。

◆経験則違背その1
 原判決は「防潮堤を設置するという措置を講ずるだけでは対策として不十分であるとの考え方が有力であったことはうかがわれない」として回避手段としての水密化を否定した。
 水密化は、古くは1991年に東電において実施されており、2003年にはIAEA(国際原子力機関)においてガイドライン化され、事故時までに津波対策として技術的に成熟していた。
 IAEAの安全指針は、想定津波よりも高い防潮堤を設置する以外に、「洪水に対する冗長的対策(注)として…防水と原子炉を停止し安全な停止状態で維持する能力を確保するために必要な全ての項目の適切な設計によって補強されるべきである」と定めていた。
(注)冗長的は普通無駄に長いなど否定的な意味で使われるが、IT用語でシステムの二重化などで事故に備えるという肯定的な意味で使われるようになった。
  2008年の試算でO.P.+15mを超える津波が予見され、これを防ぎうる防潮堤が存在しないのであるから、原発の運転を停止させないのだとしたら、次善の策として低コスト、短時間で施策可能な水密化を施策すべきであった。原判決が建設に時間のかかる防潮堤の設置だけを津波対策として認定したのは、規制のあり方として最新の知見を無視したもの言わざるを得ず、経験則違背である。

◆経験則違背その2
 原判決は、「設計される防潮堤は敷地の南側(南東側)からの海水の浸入を防ぐことを主眼においたものとなる可能性が高い」として、東側からの津波による敷地の浸水を防ぐことはできなかった可能性が高いとして、結果回避可能性を否定した。
  この事実認定には2つの誤りがある。
  まず、原判決が採用したのは、国の「@原発敷地南部にO.P.+22m及びO.P.+17・5m、A1号機北側にO.P.+12・5m、B原発北側敷地にO.P.+14mの天端高さの防潮堤を設置することが合理的であり、この防潮堤によっては今回の津波の結果回避は不可能である」という主張である。しかし、この根拠となる証拠の作成日は2016年7月で、事故後、刑事責任を追及される中で東電によって作成されたものであり、証拠としての客観的信用性がない。
 それに対し、申立人(原告側)が証拠として提出した「南側側面から東側全面、北側側面を囲う高さ10m程度の防潮堤」(O.P.+20m)は、2008年4月に東電設計が作成したもので、事故や刑事責任などのバイアスがない状態で作成されており、証拠能力はより高い。
 原判決が信用性のない国の主張を採用したのは明らかな誤謬である。

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