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★ 「原告と共に」No.49 2025年1月発行 

● コンテンツ

● 京都訴訟控訴審(大阪高裁牧裁判長)思考停止のコピペ判決 

  司法の責任を自ら放棄

 【1面】
 
 12月18日は、大阪高裁で原発賠償京都訴訟の控訴審判決の日でした。
 9時過ぎからスタッフ、支援者が続々と裁判所向いの公園に集まって来て、9時半から事前集会が始まりました。遠方からも多くの人が応援に駆け付けてくれました。福島からは生業訴訟の遠藤さん、楢葉町伝言館の丹治さん(元群馬訴訟)、東京訴訟の鴨下夫妻、かながわ訴訟の村田さん、だまっちゃおれん愛知岐阜訴訟の岡本さん、ひろしま訴訟の渡部さんなど。傍聴席65席に対し抽選券配布には160人以上が並びました。

 11時開廷。国の責任については、一審(京都地裁)判決を覆し、6・17最高裁不当判決の結論部分をコピペし、粗雑な理由で国を免罪する不当判決。また避難の相当性についても、一審判決が避難の相当性を認める条件とした避難開始期限「2012年4月1日まで」を中間指針追補の対象期間に合わせて「2011年12月31日」に短縮し、家庭の事情で悩んだ末に決断した2012年1月以降の避難の相当性を認めませんでした。

 牧賢二裁判長が退場しようとした時、傍聴席から「コピペ判決やないか」、「司法の独立はどこに行った」、「恥を知れ」という非難の声があがりました。
 この不当判決を受け、出廷した原告たちは法廷横の待合コーナーに集まって意見を交わしていました。この時、最高裁まで行こうということになったのだと思います。

 この後、原告を先頭に約170人が裁判所1周パレードで怒りをぶつけました。
 記者会見は中之島公会堂の中集会室で行われました。弁護団とともに人の原告が前に並び、思いや上告の決意を語りました。

 「裁判所も社会通念に縛られるとするなら、社会通念を変えなければと思った」
 「聞いてる振りして『ふざけんな!』と思った。でも負けない。『今に見てろ』と思っている」
 「私たちの証拠をちゃんと読めば、あんな判決は書けないはず。裁判だけではない。国のあり方が問われている」
 「この司法を正す使命が私たちにはある。絶対にあきらめない」
 「中学生の息子でも『なに? それ』と言う判決だ。母親として諦めない姿を見せたい」など。
 避難当時小学生だった女性は「これまで私の代わりに原告のみなさんが頑張ってくれた。最高裁には私も頑張って参加したい」と決意を語りました。

 報告集会に移る前にサックス奏者のスィングMASAさんと松島さんに原告団の音楽隊が加わり、ザ・ブームの「風になりたい」を合奏。そのあと二人で「不屈の民」を演奏してくれました。
 そのあと応援に駆けつけてくれた各訴訟団から激励の挨拶を受けました。

 最後に、支援する会の奥森事務局長が「やれることをすべてやってきた。だが、終わらない」と今後の方針を述べ、12月24日、大阪高裁前での牧裁判長らへの抗議行動参加を呼びかけ、報告集会を終えました。

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● 高裁判決評価と上告方針

 【2面】

◆ 必ずくつがえそう!不当きわまりない大阪高裁判決
  弁護団長  川中 宏


 昨年の大阪高裁判決には、年が明けても怒りと悔しさが増大してきます。原告団の皆さん、支援者のみなさんの心中はいかばかりかと忸怩たる思いでお察し致しております。

 1992年の最高裁判決は、原発の事故はそれこそ深刻で重大な災害を引き起こすから、「万が一にも」事故を起こさせない注意が必要だと判示しました。「万が一」はすなわち「1万分の1」であり0・01%です。つまり事故発生の危険性が0・01%でもあれば、それは決して見逃してはならない過失になるのです。それくらい重い注意義務を国も電力会社も負っているのです。

 ところが大阪高裁判決は、あの悪しき2022年6月17日付最高裁判決に追随して、津波は原発の南東から来ると予測されていたから、東側から襲ってきた実際の津波を防止する防潮堤をつくっていなかったことは過失ではないと結論づけたのでした。それもほぼ同じフレーズを用いて。

 あの広い太平洋を眺めたとき、南東からと予測されていた津波でも、ひょっとしたら東側からも襲ってくるかもしれないと思わない方が常識外れだし、重大な過失というべきです。

 最高裁や大阪高裁判決がこの妄想というべき論理を使わざるを得なかったことは大きな弱点であり、逆に言えばそこに我々の勝機があると私は考えます。
 ともに頑張りましょう!

◆ 大阪高裁判決の評価と今後の訴訟活動について
   弁護団事務局長  田辺 保雄


1 判決について
 国は、京都地裁判決が出た頃までは、予見可能性に重点を置いていましたが、その後、結果回避可能性が困難であることを主張するようになりました。

 しかし、それは、さほど説得力のある議論とは思えませんでしたし、まっとうな判決(生業や愛媛の高裁判決)は、結果回避可能性を肯定しており、私たち弁護団としても、粛々と訴訟活動を進めれば、結果が出るものと考えていたのです。

 こうした状況を暗転させたのが、2022年6月17日の最高裁判決でした。
 三浦反対意見と対比するまでもなく、多数意見の杜撰さは、研究者からの判例批評がおしなべて消極的評価を与えていたことからも明白でした。

 しかし、この判決後、各地でコピペ判決が出るようになり、私たち弁護団も、緊張感をもってその点についての準備を進めていました。

 最高裁判決が前提としていた「津波対策として、津波によって敷地が浸水することを前提とする防護の措置が採用された実績はなかった」という前提を打ち破る主張が必要となったのです。

 具体的には、実際に防潮堤の設置がなされた国内の実例をあげるとともに、IAEAの安全基準でも、防潮堤などと同時に「防水措置」が求められていることなどを主張しました。

 同時に損害額を増額させるためにPTSDについての研究者意見書を準備し、また、避難の相当性を広げるために国際人権に基づく主張を行ったのです。

 これらの主張は、他の訴訟団ではそれほど深く主張されてきたわけではありません。
 最高裁判決が前提としなかった事実を提示し、最高裁判決をそのままコピペできないようにすること、原審よりも救済の幅(因果関係)を広くすること、救済(損害)に厚みを持たせることが私たちの戦略だったのです。

 しかし、今回の判決文を読んで、私たちは愕然としています。
 大阪高裁の判決文は、私たちが提示した論点に対する説得力のある説示はないようです。また、証拠の評価も表面的に過ぎると判断しています。

 この判決書からは、最高裁の2022年6月17日判決どおりに国を免責し、原賠審が認めた2011年12月末以降には避難の相当性を認めないという裁判所の強い意思を感じます。

2 今後の訴訟活動について
 皆さんは、裁判官の独立が憲法において保障されていることをご存じだと思います。
 しかし、たとえば人質司法の問題一つとっても、実は、裁判官は組織の論理からそれほど自由なわけではありません。

 この先も、2022年6月17日判決がある以上、地裁、高裁では同じ判決が続くと考えます。
 大阪高裁判決後、関西訴訟弁護団の副代表である山西美明弁護士は、「最高裁の誤りは、最高裁でなければ正せない」と喝破しました。
 そのとおりだと思います。

 そして、私たちの提示した論点に真摯に大阪高裁判決は向き合っていないからこそ、上告審が、この問題に向き合う余地があるようにも思えます。

 また、一つ良いこともありました。
 それは、大阪高裁判決が、予見可能性を肯定していることです。
 予見可能性があったことについて最高裁判決は触れていません。
 ですから、国が予見可能性がありつつも、具体的な結果回避に向けた規制権限の行使をしなかったことは、明白となったのです。これは一つのヒントです。

 国民の生命や財産を守るために規制権限を与えられていた国が、実際には何もしなかった。これは、私たちが、この問題を広く世論に訴求する一つの視点になるはずです。

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● 大阪高裁2024年12月18日判決のポイント

【3面】

 裁判長裁判官 牧 賢二、 裁判官 島戸 真、 裁判官 内田貴文
 (この3人の名前を忘れまい!)

◆責任論
 ◇津波の予見可能性…予見し得た
 2002年7月に地震調査研究推進本部(地震調査委員会長期評価部会)から「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」が公表されており、一審被告東電及び一審被告国は、同年の年末頃までには海抜15.7m程度の高さの津波(2008年試算津波と同等の津波)となることを予見し得たといえる。

 ◇津波の回避可能性…回避できなかった可能性が高い
 長期評価によって予見し得た津波を前提に本件原発の敷地の浸水を防ぐために設計される防潮堤等は、敷地の南側(東南側)からの海水の浸入を防ぐことに主眼を置いたものとなる可能性が高く、そのような防潮堤等によっては本件津波の到来に伴って大量の海水が本件原発の敷地に浸入することを防ぐことができなかった可能性が高い。(*6・17最高裁判決のコピー&ペースト)

 ◇国の責任…損害賠償責任はない
 仮に経済産業大臣が長期評価を踏まえた技術基準適合命令を発して、津波による本件原発の事故を防ぐための適切な措置を講ずることを一審被告東電に義務付け、一審被告東電がその義務を履行していたとしても、…本件事故と同様の事故が発生するに至っていた可能性が相当にあり、経済産業大臣が技術基準適合命令を発していれば、本件事故又はこれと同様の事故が発生しなかったであろうという関係を認めることはできず、一審被告国が一審原告らに対し、国賠法1条1項に基づく損害賠償責任を負うということはできない。(*6.17最高裁判決のコピー&ペースト)

◆避難の相当性
 @自主的避難等対象区域からの避難については、2011年12月31日までに開始されたものについて相当性を認め、2012年1月以降に開始されたものについても個別に相当性を認めることができる場合がある。
(*京都地裁判決の「2012年4月1日までに開始されたもの」を約3か月短縮)

 Aこれらの区域外の居住者については、(中略)自主的避難等対象区域からの避難者と同等又はこれに準じる場合には、避難の相当性を認める。
  (*京都地裁判決の区域外を認める基準を踏襲。ただし福島県大沼郡金山町、福島県白河市、茨城県北茨城市、栃木県大田原市、千葉県柏市からの避難の相当性を認める一方、京都地裁判決が否認した宮城県仙台市、茨城県つくば市に加えて、福島県大沼郡会津美里町、千葉県松戸市についても認めず。なお、@により避難の相当性は認められなかったが、Aにより損害賠償を認められた原告もいる。

 B避難の相当性が認められるべき期間は、おおむね避難の開始から2年間程度を目安とする。
 (*京都地裁判決の避難期間を踏襲)

◆損害額の認定
  原告ら166名のうち92名の請求を合計約1億1260万円の範囲で認容。
 (*京都地裁判決は、原告ら174名のうち110名について約1億1100万円の、東電と国による連帯支払を命じていた)

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● 判決を受けての原告団の感想と決意

【4〜5面】

◆私の避難の相当性が消された日
 川ア 安弥子
 原発賠償京都訴訟大阪高裁控訴審にて、牧賢二裁判長・島戸真裁判官・内田貴文裁判官により、私には「避難の相当性がない」という判決が下されました。

 理由としては、私が避難したのが2012年1月だったからです。国は、2011年12月に「原発事故は収束した」と宣言しました。その後の避難には、「避難の相当性」がないのだそうです。京都地裁では認められたことが覆されました。私の被害事実が変わったわけではないのに、法律も変わったわけではないのに、なぜ判決が変わったのですか。

 岸田政権が原発再稼働に舵を切ってからというもの、司法はそれまで以上に「政権」に寄り添う判決を出し続けています。
これまでの国のエネルギー基本計画から「(原子力について)可能な限り依存度を低減する」という文言が消された「新エネルギー基本計画(原案)」が発表された翌日に下された原発賠償京都訴訟判決では、私の「避難の相当性」が消されました。

 三権分立がこの国にないことを身をもって知った判決日。
 司法を糺すために最高裁に進むことを決意する日にもなりました。
誰もが放射能被ばくから避難する権利が認められる社会にするために本年も頑張ります。これまでの長きにわたるご支援に心より感謝申し上げますとともに、今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

◆踏みにじられた人権を守るために闘う
 小林 雅子

 原発賠償京都訴訟控訴審は不当判決でした。判決日翌日の12月19日は、何もする気が起こらずメールとメッセージのチェックくらいしか出来ませんでした。
 じっくり読む気になれなかった判決要旨を12月20日の朝、じっくり読みました。怒りで眠気が吹き飛びました。怒りのあまり、判決要旨のコピーに赤ペンでツッコミを入れてしまいました。

・『原告らの一審被告国に対する請求は理由がない』←「『理由がない』って何なんだよ。こっちは理由があるから国を訴えているんだよ。理由もなく裁判するかっちゅうの」
・被告東電の故意又は重過失について『慰謝料増額事由としての故意又は重過失があったとはいえない。』←「重過失あるだろバカ??」
・『自主的避難区域からの避難については平成23年12月31日までに開始されたものについて相当性を認める』←「2011年12月なんて、まだまだ放射線量が高かったし、除染さえ始まっていない。避難の期間を短く認定するなんてあり得ない。ふざけんな??」

 大阪高裁第12民事部の裁判官たちは、私たちが提出した証拠をきちんと読み込んだのでしょうか?
高裁での本人尋問は何だったのでしょうか?
 大阪高裁も司法の独立は機能していませんでした。本当に、本当に、酷い判決でした。でも、私たちは負けるわけにはいきません。大きなことを言うようですが、踏みにじられた人権を私たち原告だけでなく、この国に生きる全ての人たちの人権と権利を守るためにこれから闘っていかなければならないのだと思っています。

◆感情の揺らぎ
 高木 久美子

 12月18日は朝から慌ただしく、電車に乗る時間を間違えたり、大事なコンタクトレンズを装着してなかったりとてんやわんやな1日でした。

 牧裁判長の柔らかな表情からは想像もつかないような「棄却」の言葉が並び、心と心臓がぐぐっと苦しくなり、絶望感で何も考えられなくなりました。頑張って休日も返上してあちこちと活動してきた原告のみんな、弁護士の方々、そして何よりも無償の愛でずっと支えてくれた支援の方々を思うと腹立たしさと悔しさと申し訳なさで感情がごちゃごちゃになってしまいました。

 数日後に詳しく記載されている自分達の判決内容を見て、ほとんど認容額は地裁とは変わってはいませんでしたが、原発事故がきっかけで起きた家族との問題や娘の心の健康被害は因果関係がないと判断されたことを腹立たしく思い、避難して必死に生きて無我夢中だった日々を思い出しながら、ひとりで大泣きしました。娘の苦しみを思うと更に涙が止まりませんでした。

 頼みの綱の司法さえも国に加担しているとしか思えません。本音、腐った司法に認めてもらわなくいい!と一時は投げやりになり、上告することも悩んだりしましたが、被害を被った者たちが救われない判決はおかしいと思いましたし、原発推進の世の中に目を覚ましてほしい。いろんな理由をつけて自分を奮い立たせ、上告を決意しました。

 情報操作され、脱炭素化の代替に原発を動かすなど国民を誘導する手口に怒りを感じます。原発に賛成する人たちの気がしれませんし、再び事故があったら、加害者となることの重大さをわかっているのだろうか。

 色々思うと復讐に似た感情が込み上げてきますが、ゾンビにならないように正義を持ち毅然とした態度で最高裁に挑みます。

◆東電と癒着した弁護士事務所と最高裁
 萩原 ゆきみ

 皆さま、昨年も本当に真心込めて応援して頂き誠に有り難うございました。12月18日の判決の後、私達原告は誰一人として直ぐには退廷出来ず、呆然としてしまいました。まだ立ち直れない人々もいます。

 11月24日の判決前集会で東電の息の掛かった弁護士事務所が最高裁判決に関わっていると学びました。先日、共同代表の福島さんや田辺弁護士も仰っておられたのですが、その件について私達が知っている事を今から最高裁に申し立て「そんな東電と癒着した弁護士事務所が関わっている最高裁判決なんて信頼するに値しない」という事を伝えて釘を刺す事が必要だと思っています。

 原発事故前には100万人に1人か2人しかいなかった小児甲状腺癌でした。それなのに事故後11年で300人もの子ども達が罹りました。福島市に住まわれていた女性の原告さんは手が腐って切り落としたそうです。私達家族のみならず、避難先だった大阪の妹家族も放射性物質による健康被害としか思われない症状が多々出ました。
 健康被害が出ていても「放射線による健康被害だ」と断定されない事で救われている人々もいると思います。

 共同代表の堀江さんが「被爆したという事を自覚して闘っていかなくちゃならない」と原爆被爆者の方に言われたというお話しを時々されています。
 本当なら、せめて被災地の全ての人々が被ばくしたという事を自覚して一致団結して訴えていけば、世の中は変わっていくでしょう。しかし現状はそうなっていません。

 そこで私も2012年頃は福島の一般市民の人々に働き掛けさせて頂いた事も何度かあるのですが、余りの温度差の為に続ける事は出来ませんでした。「福島県内から変える事が出来ないなら、ここ関西から出来る事をしていこう」と心に固く誓い、今まで皆さんと共に頑張ってくることが出来ました。本当に有り難うございます!!

 どうぞ明るい未来の為にこれからも私達と共に歩き続けて下さいますよう心からお願い申し上げます。

◆人権に向き合わない司法の暴力
 福島 敦子

 昨年12月18日は原発賠償京都訴訟控訴審判決日でした。
 結果は、被告国の責任を認めず、京都地裁浅見判決を切り崩すような大変許しがたい内容でした。
 牧判決には大きな期待を持っていました。原告らの声に耳を傾け、国の責任を認めなかった2022年6月17日の最高裁不当判決を覆すよう、牧裁判長自身の良心に従い、公正に判決文を書くだろうと。

 私たち原告らの法廷内外からの裁判長への訴えは結局届かず、国に責任を認めさせることができなかった…。これは司法の限界でも、司法の逃げでもなく、人権に向き合うことをあきらめた司法の暴力です。私たち一人一人の命の上に原子力発電所が存在するこの国の在り方を次の最高裁での闘争で問いたいと決意しています。

  引き続きご支援くださいますようによろしくお願い申し上げます。

◆不当判決の怒りをパワーに変えて闘う! 
 堀江 みゆき

 大阪高裁の判決を法廷内で聞いた時は、呆気にとられ判決内容も理解できず、体中の力が抜けたように感じ、すぐに立ち上がることができませんでした。

 これまでの私たちの陳述書や本人尋問で訴えたことなどはパフォーマンス、ガス抜きに過ぎなかったのか…。裁判官たちは聞いているふりで私たちが被った被害について考えることもなく判決を書いたのだと思いました。さらに言うなら地裁判決をなぞっただけならまだしも、「なぜ?」と聞きたくなるほど細かく切り捨てられた内容で情け容赦ない非情な不当判決には腹ただしく怒りしかありません。

 原発事故の責任は国にもあるのは当然です。しかし、最高裁判決を覆さない限り同じような判決が続くでしょう。でも、私たちはここで諦めず、最高裁で国の責任を認めさせるべく闘う所存です。最終目標に掲げている原発事故被災者全員に対する被害回復や恒久対策実現の獲得を目指して闘いたいと思います。

 これまで皆さまには署名やハガキ大作戦、裁判所前のアピール行動など、さまざまな活動にいつもご協力いただきました。改めて心より感謝申し上げます。そして、引き続きご支援くださいますようよろしくお願い申し上げます。

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● 支援する会から

【6面】

◆怒りを力に、事実と道理で最高裁を揺り動かそう!
 支援する会共同代表 橋本 宏一

 大阪高裁不当判決に怒りが収まりません。国策の原発で引き起こした被害、避難者への人権をふみにじる判決は、正義も道理もなく、国民の幸福追求権を保障した憲法にも違反する、断じて許すことのできない判決です。
 原告、弁護団、ともに上告してたたかうとの決意が表明されました。支援する、私たちも当然断固としてたたかいます。

 大阪高裁は、この上なく丁寧に、被害の実相、健康、国際人権等を主張・立証したにも拘わらずこれらを無視し、地裁で認めた国の責任さえも放てきする乱暴極まりない判決を出しました。しかし、国の政策で東電は福島第一原発を動かし原発事故が発生し放射能汚染で多くの被害が生じた事実は否定できません。避難した原告はその多大な被害の実態を誰よりもよく知っています。その事実を訴え、市民からも共感を得て署名やはがき、意見書や上申書などにして裁判官にも届けてきました。この国民の声を聞き入れなかった判決こそ、いかに不当な判決だったか、最高裁の裁判官に届けなければなりません。事実を知る原告とこれに共感する国民の声こそ、世論として最高裁裁判官を動かす力です。

 刑事事件では、袴田事件が58年の歳月をたたかい抜いて、死刑の執行寸前までいった袴田巌さんが再審無罪判決となりました。これも、事実と道理で世論に訴え世論で裁判所に働きかけたことが大きかったと思います。
 私たちの力は、事実と道理にあります。たくさんの被害の実相、被害の事実、共感の声を最高裁裁判官に届け、高裁判決を見直しさせ、不当判決を改めさせるよう、力を結集しようではありませんか。

◆最高裁の不当判決は最高裁でただす!
 支援する会事務局長 奥森 祥陽

 初めに、昨年12月18日に不当判決を出した牧賢二裁判長、島戸真・内田貴文両裁判官に対しては、「恥を知れ」と強く言っておきたいと思います。牧裁判長らは不当判決を出してそれで終わりかも知れませんが、私たちは終わることはできません。

 国の責任を認めさせることは、避難の権利を認めさせ損害を賠償させることに留まりません。京都訴訟の原告の中にも、既に健康被害が明らかになっています。原発事故被害者に対する健康手帳の交付、検診と医療の提供、健康被害に対する生活保障、住宅提供、雇用保障等の恒久対策を政府に実施させるためには、国の責任を認めさせることが必要です。

 京都訴訟は第3ラウンドの闘いに入ります。上告・上告受理申立の原告数は39世帯94名、うち東電にも申し立てたのは17世帯36名となりました。多くの原告が上告・上告受理申し立てを行いました。私たち支援する会は、「最高裁不当判決は、最高裁自身の判決でただす」ために、原告団・弁護団とともに最高裁闘争を闘います。

 当面、以下のとおり取り組みます。ぜひ、ご参加ください。
 ◆大阪高裁前抗議・宣伝行動(原告団声明の配布等)
  ・2月21日(金)午後4時30分〜午後6時
  ・3月11日(火)午後4時30分〜午後6時
 ◆最高裁あて個人署名(原発被害者訴訟原告団全国連絡会)集め
  ・新たに署名用紙を準備し、労組・市民団体への要請、街頭や各種イベントでの署名集めに取り組みます。
 ◆最高裁要請行動への参加
  ・先行訴訟から呼びかけられる要請行動に参加します。京都訴訟の係属小法廷が決まれば、京都訴訟としても要請行動を主催します。

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【8面】 原告団声明はトップページを参照してください。

● 支援者からの応援メッセージ
    (12/18 報告集会での感想文から】

・原告さんの存在、お言葉そのすべてが何より大きいです。明日は我が身。私たちのために頑張って下さってありがとうございます。どうかどうかお身体お大事に…

・本当に悔しい判決です。原告さんがすぐ上告してがんばると決められたことに勇気づけられます。

・この悔しさをバネに共にたたかい続けたいです。

・涙のなかから立ち上がり、裁判で闘ってこられた皆さま、今はがっかりしながらも「負けない!」と又新たに立ち上がるお姿に勇気づけられます。

・勝つまで頑張りましょう。社会を変えていきましょう。皆さまの団結、力強さにいつもこちらが元気をもらっています。

・できることは少ししかありませんが、最後の最後、勝訴するまで応援します。

・2人の若い原告さんの涙のメッセージに心を打たれました。10代の頃から原発事故と裁判と共に歩んできたお二人に大人としてごめんなさいとありがとうを伝えます。

・自分の人生や生活、健康を犠牲にしながら闘い続けられていることに共感し、今後もできることには協力、支援していこうと思う。

・「勝つまで闘う」その通りです。やめればそれでおしまいですので各々の場で闘いましょう。

・本当にひどい、司法の責務から逃げた判決でした。原告の皆さんがここまでしっかり闘ってこられましたので、本日の判決のひどさがより一層明確になりました。6・17判決を糺し司法の公正を取り戻し、原発と決別する社会をつくるためにご一緒に頑張りましょう。

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原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会
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