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★ 「原告と共に」No.16 2016年11月発行 

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● 12月は期日が2回―第20回は原告本人尋問

 去る10月31日、全国の原発賠償訴訟の先陣を切って、群馬訴訟が結審になりました。来年3月には判決が出る予定です。

 京都訴訟も18回の審理を終え、次の第19回期日(12月7日)でいったん弁論を終え、12月14日の第20回期日からはいよいよ原告本人尋問に入ります。

 そういう局面であることを踏まえ、支援する会では(1)京都府外から証言台に立つために京都まで来る原告への助成のための緊急カンパ(目標額50万円)を呼びかけ、(2)「公正な判決を求める要請署名」に取り組むことを決めました。

 緊急カンパについては4面で報告していますが、短期間で目標額を達成することができました。公正判決署名についてはすでに支援の方から多数の署名が送られて来ていますが、先日は京都総評など労働組合への協力要請を行ない、11月2日の第18回期日の午後には、四条河原町のマルイ前で初めて街頭署名集めを行ないました。

 12月には1週間の間隔で2回の裁判が行なわれます。しかも14日は朝から夕方まで1日がかりで4名の原告の本人尋問が行なわれます。丸1日の傍聴となると、仕事の関係や肉体的負担もあって大変です。そこで、午前中だけ、午後だけの傍聴もできるように、弁護団から傍聴者の入れ替えなどを裁判所に申し入れてもらいます。

 1月以降も1日がかりの裁判が続きます。みんなで知恵を出し工夫しながら、証言台に立つ原告を励ますために傍聴席を埋めていきたいと思います。ご協力をよろしくお願いします。

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● 11/2 第18回期日の報告

 今回も傍聴希望者が傍聴席の数を上回り、抽選になりました。

 法廷では、今回は原告側のプレゼンはありませんでした。事前に弁護団から、今回期日に国・東電から提出された書類の概要とそれに対する弁護団のコメントを記した資料が配布されました。

 次回(12月7日)で弁論は終わり、次々回(12月14日) から証拠調べということで、原告本人尋問が始まります。ところが被告東電の代理人は、個別損害論への反論は14日になると述べました。これには浅見裁判長も、「7日には出せないんですか?一過間違うだけですよ?」と聞き返しました。

 また、原告側代理人(田辺弁護士)は、「崎山証人の意見書に対して被告側から17名の専門家の連名による意見書が出されているが、誰がどの部分を分析したのか明らかでない。これでは、証言台に立った専門家に反対尋問しても、自分の専門ではないとはぐらかされる懸念がある」と批判しました。これに対して被告側代理人は、「17名の総意として作ったもので、どこを誰とは特定できない」旨、弁明しました。原告側の川中弁護団長も、「そもそも連名の意見書など見たことがない。こういうものが認められるんですか」と迫りました。再びわけのわからない弁明をする被告側に対して、傍聴席からは一斉にブーイングの声が上がりました。結局、被告側は「3人の専門家証人を考えている。どの部分を担当するかは明らかにする」と言わざるを得ませんでした。

 報告集会は、いつもの弁護士会館ではなく、こどもみらい館で行なわれました。最初に原告団共同代表の福島さんからお礼の挨拶があり、続いて原告の宇野さんから避難用住宅の打ち切り問題に関する福島県交渉(ひだんれん・原訴連の共同行動)の経過が報告されました。

 うつくしま☆ふくしまin京都の代表でもある奥森さんからは、避難者の住宅問題についての京都市との話し合いの結果が報告されました。正式発表前なので、具体的な内容は控えるが、「避難者が路頭に迷うようなことにならないようにしたい」「できるだけ避難者の希望に沿えるよう対応していく」「避難者にできるだけ負担がかからないようにしていく」との基本的な考えが示されたことが報告されました。一方、京都府は国家公務員住宅を借り上げている点に難しさがあり、支援策が固まり切っていないとのことでした。

 今回のメインゲストは、福島県三春町在住の写真家・飛田晋秀さんでした。飛田さんは、原発事故以来、汚染地域にも入り、定点観測を続けておられます。画像を映しながら、福島の現状をお話しいただきました。

 政府は空間線量が下がったことを理由に避難指示の解除を進め、帰還を推し進めていますが、前年よりも空間線量が高くなっている場所があります。「除染完了 大林組JV」の看板がある場所の線量なんと317マイクロSV、壊れた防波堤の前に山積みされたフレコンパック、4000億円かけた仮設焼却炉の周辺の白くなって枯れている植物などが次々に映し出されます。飛田さんは「政府はオリンピックのために、こういう所へ住民を帰還させている。福島県民はモルモット以下の扱いだ」と訴えられました。

  ◎マルイ前で街頭署名

 報告集会が終わったあと、いったん昼食のために散会し、14時半から四条河原町のマルイ前で公正判決要請署名の街頭署名集めを行ないました。支援する会MLを通じて呼びかけただけだったので、何人の人が来てくれるだろうかと不安でしたが、原告6名、ゲストの飛田晋秀さんを含め26名の方が集まってくださいました。原告の方が次々にマイクを握り、署名への協力を呼びかけました。外国人観光客が通行人の半分以上という中でしたが、1時間で105筆の署名が集まりました。支援する会共同代表の橋本宏一さん(国民救援会京都府本部事務局長)によると、「しょっちゅう署名集めはしているが、1時間で105筆も集まることはない」とのことで、避難ママたちがマイクを握る姿とビラ撒き・署名集めをする人の数の多さが人目をひいたのかも知れません。立ち止まって話を聞いたくれた人の反応は良かったです。なにはともあれ、初めての試みにしては大成功で、みんなで成功を喜びつつ散会しました。

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