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★ 「原告と共に」No.3 2014年8月発行 

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● 第4回口頭弁論の傍聴に来て下さい!

 7月4日に行なわれた第3回口頭弁論は、みなさまのご協力で法廷を満杯にすることができました。

 原告側は、―◇過去の放射線被曝事故を振り返れば、急性障害(嘔吐、下痢、脱毛など)だけでなく晩発障害(白血病、悪性腫瘍など)も発症しており、放射線被曝は甚大かつ不可逆的な被害をもたらす。◇被曝の影響についてICRP(国際放射線防護委員会)も「しきい値はない」という立場をとっており、90年勧告で公衆被曝の線量限度を年間1ミリシーベルトとした。◇国内法(原子炉等規制法、電気事業法、放射線障害防止法)でも公衆の被曝線量限度は年間1ミリシーベルトとされており、それを超えるおそれがある場合には使用不可、居住禁止、立ち入り制限などの規制があり、罰則もある。◇年間1ミリシーベルトの公衆被曝線量限度は、避難の相当性を判断するための社会規範である―ということを立証しました。

 それ以降の支援する会の活動を報告します。

 7月29日には、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部のデルテ・ジーデントプフ医師の講演会(主催:医療問題研究会・避難者こども健康相談会きょうと)の開催に会として協力しました。

 8月3日には大阪で「原発賠償訴訟を闘う原告・支援者の全国交流会」を開催しました。京都・東京・神奈川・関西(大阪)・岡山の原告などが参加し、それぞれの現状を報告し、全国的ネットワークの必要性を話し合いました。

 8月5〜6日には、原告有志の親子と事務局スタッフとで広島ツアーを行ない、原水禁大会の分科会に参加しました。原水禁運動の先達からは長年にわたる運動の経験に裏付けられた助言をいただき、参加者それぞれが決意を新たにしました。

 さて、第4回口頭弁論期日が9月12日に迫ってきました。原告側は地震・津波について2002年に長期評価が出されており巨大地震や巨大津波は「想定外」ではなかったこと、耐震設計などの対策を怠った東電・国に責任があることを立証する予定です。第4回も法廷を満杯にしなければなりません。みなさん、ぜひ傍聴に来てください。

 また、9月9日11時から神戸地裁で兵庫訴訟の第4回口頭弁論が、そして9月18日14時からは大阪地裁で関西訴訟の第1回口頭弁論が開催されます。可能な方は、神戸・大阪地裁にもぜひ傍聴に行ってください。

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● 原水爆禁止世界大会特集

  • 原水協スローガン:核兵器のない平和で公正な世界のために
  • 原水禁スローガン:核も戦争もない平和な21世紀に くり返すな原発震災 めざそう!脱原発社会
◆ ツアーの概要と分科会論議の紹介 事務局◇上野益徳

 8月5日早朝4時、2台の車に分乗して広島 へ向けて出発。参加者は、支援する事務局から3人、原告4家族(母子)8人の計11人。

 休暇の関係で1泊2日が限度なので、5日は分科会に参加、6日は子どもたちの学習を兼ねた観光にあてました。

 原水禁大会は原水禁国民会議(以下、原水禁)と原水協の2つに分裂しています。開催要領から判断して最も論議にコミットしやすそうな原水禁のひろば「ヒバクを許さない集い」(午後から)には全員で参加することにし、午前中は原水協の分科会「核兵器と原発」と原水禁の分科会「ヒバクシャを生まない世界に2」に分かれて参加しました。

 昼からのひろばのメインスローガンは 「国の責任による福島事故被災者への健康手帳交付を求める運動を全国に広めよう」。報告も福島の被災者を意識したものが用意されていました。私は会場の入り口で、この日のために用意した支援する会の会報特別号を参加者に配布しました。

 報告者の横原由紀夫さん(元広島原水禁事務局長)からは、「被爆体験を語り続ける運動をやってきた。フクシマも語り続けない限り風化する」、「行動記録をとる。子どもの乳歯を残しておく」などの提起があり、川野浩一さん(原水禁国民会議議長)からは「福島の方も被曝されている。私は被曝者だという立場で国の責任を問い、補償を求めることが大事」などの助言がありました。

 報告後の質疑では、京都から原告の高木さんと福島さん、支援する会の奥森さん、東京在住の避難者・二瓶さんが立て続けに発言し、報告者や参加者に避難者の存在と運動を印象づけました。

 全体を通じて印象に残ったのが「3つのホショウ」。これは、国家補償を求める際に、(1)過去の補償(原爆死没者への補償)(2)現在の保障(生存被爆者への医療・生活保障)(3)未来の保証(戦争と核兵器のない未来の保証)の3つのホショウを押さえるべしという意味のようでした。

 また被爆者5団体が定例の政府要望(首相、厚労相などが出席)で、福島の被災者向けの措置として「被曝者健康手帳の交付、健康被害への対策、ヒバクシャへの差別対策」などを要望していることを初めて知りました。被曝者健康手帳については、午前中の振津かつみさん(元阪南中央病院内科医)の報告の中に「罹災証明、行動・健康記録であると同時に、無料検診、医療費無料化など原爆被爆者と同等の施策の法的根拠を伴う制度としての手帳」とあり、被爆者運動の中では被爆者手帳が極めて大きな意味を持ってきたことを再確認しました。今後のヒロシマとフクシマの連携について、横原さんは「独自行動と共同行動の両方が必要」と述べられました。避難者の独自行動を進めながら、ネットワークを広げていく必要性を痛感した原水禁大会でした。

 6日は宿泊先の岩国から広島へ向かう途中で宮島に渡り、厳島神社に参拝、広島では原爆ドーム・平和記念資料館へ行きました。子どもたちにとっても良い体験学習になったのではないかと思います。

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