トップ  避難者無償住宅問題  イベント情報  資料集  ブログ(外部リンク)
トップイベント情報
 ◆ 2016年度活動報告&2017年度活動方針
2017年3月12日 事務局
  2016年度決算(期間2016年1月1日~2016年12月末)

pdfで読む

  1.  当会の目的

     2011年4月に当会スタッフの一人が、福島県会津若松市に開設された避難者の運営支援に参加したのをきっかけに、京都府内に多くの方が避難してきていることを知った。そして、避難者の多くは京都府内に知人もなく孤立している状況にあることがわかり、避難者同士、避難者と支援者の交流とネットワーク作りを始めた。
     本会は、東日本大震災、福島第一原発事故により京都府内に避難してきた家族が、避難先で当たり前に生活していくことができるように支援していくことを目的とし、以下の活動に取り組んできた。活動を開始して6年が経過しようとしているが、広域避難者をとりまく状況はますます厳しくなっており、避難の継続・移住にむけたサポートは引き続き必要である。

    1.  避難・移住生活を支える多面的な活動
    2.  避難者同士、避難者と支援者が交流できる相談会やイベントの開催
    3.  放射線による健康被害・健康不安に関する相談会の開催
    4.  原発事故により被った損害の賠償請求をサポートする活動
    5.  市民に支援を呼びかける活動ほか

  2.  避難者支援活動の課題

    1.  放射線被曝による健康被害を回避するため、なお長期の避難生活を決断している避難者も多くいるため、避難先での安定した生活の確保にむけた多面的な相談・支援が必要である。
    2.  長期化する避難生活の中で孤立する避難者もいることから、避難者同士、避難者と地元住民の交流を図ることが必要である。
    3.  原発事故の避難者の中には、放射線被曝による健康被害や健康不安を抱えている方も多く、放射線被ばくによる健康影響について正しい知識を身につけ、健康管理に役立てることが必要である。
    4.  国と福島県は避難用住宅についての無償提供を本年3月末(京都府・市は入居後6年)で打ち切り、県独自の支援策に移行するとしている。このままでは、住居を失いかねない避難者が出ることから、避難用住宅の無償提供の継続またはそれと同等の施策を実現することが必要である。
    5.  長期化する避難生活を守るために、民間公聴会を開催し避難者が必要とする支援施策をとりまとめ国や福島県、避難先自治体と意見交換を行う事が必要である。
    6.  市民に原発事故被災者の実情を知らせ、避難者への支援・連帯を呼びかける活動が必要である。

  3.  2016年度の活動のまとめ

    1.  避難者交流イベント
       京都府内に避難している避難者同士、避難者と地元市民の交流をはかるために、次のイベントを開催した。
      • 2016年4月2日(土) 第3回桜まつり&交流会
         場所:淀川河川公園背割堤地区
         参加者:避難家族と地元の支援者合わせて約30名が参加。
      • 2016年8月27日(土) 第3回納涼の夕べ
         場所 桃山東合同宿舎集会所周辺
         参加者 避難家族と地元支援者を合わせて約30名が参加。

    2.  「ほっこりカフェ」の開催
       避難者が多数居住している京都府伏見区内で、ほっこりカフェを開催し、避難者の交流、相談を実施した。毎回多くの参加があった。
      • 2016年2月17日(水) 参加者7名
      • 2016年4月20日(水) 参加者10名
      • 2016年6月22日(水) 参加者13名
      • 2016年7月20日(水) 参加者7名
      • 2016年8月24日(水) 参加者6名
      • 2016年9月7日(水) 参加者5名
      • 2016年10月19日(水) 参加者11名
      • 2016年12月24日(土) 参加者11名

    3.  民間公聴会の開催

      (1)いのちと避難生活をまもる第5回京都公聴会
       2016年4月24日(日) ハートピア京都・大会議室 約70名
       テーマ:原発事故による低線量被ばくの健康影響を考える
        講演1演題「司法から原発事故・低線量被ばくを考える」
         講師:井戸謙一さん(弁護士・滋賀県弁護士会)
       講演2 演題『「甲状腺がん家族の会」が求めていること』
        講師:飛田晋秀さん(写真家、3・11甲状腺がん家族会副代表)
       避難者からのお話(2名)・質疑応答・まとめ

      (2)いのちと避難生活をまもる第6回京都公聴会
       2016年11月13日(日) 京都市呉竹文化センター第1・2・3会議室 約40名
       テーマ:原発避難者のみなし仮設住宅の打ち切りを考える
       報告1 政府・福島県交渉について
       報告2 京都府・市交渉について
       避難者の訴え(3名)
       講演 演題「みなし仮設住宅打ち切りの法的問題点」
        講師:井戸謙一さん(弁護士・滋賀県弁護士会)
       質疑応答・まとめ

    4.  みなし仮設打ち切り撤・長期無償延長の取り組み

      (1)ひなん生活と住まいの相談会
       福島県が発表した支援策について多くの避難者から不安の声が上がってきているため、2016年2月に続いて6月に京都市内4か所で説明&相談会を開催し10名が参加した。
      • 2016年6月18日(土)10:00~12:00 京都・市民放射能測定所
      • 2016年6月25日(土)10:00~12:00 京都文教大学マイタウンMJ
      • 2016年7月2日(土)13:30~15:30 オフィスゴコマチ203号
      • 2016年7月10日(日)13:30~15:30 京都市呉竹文化センター第3会議室
      • 2016年7月23日(土)13:30~15:30 当会事務所(会議スペース)
      • 2016年11月19日(土)13:30~16:30 キャンパスプラザ第1会議室

      (2)行政との話し合い
      • 2016年5月30日(月) 福島県生活拠点課、避難者支援課との話し合い
      • 2016年7月8日(金) 福島県生活拠点課、避難者支援課との話し合い
      • 2016年8月9日(火) 福島県生活拠点課、避難者支援課との話し合い
      • 2016年8月17日(水) 福島県が支援策を見直し(収入要件の緩和、対象住宅の拡大)
      • 2016年8月19日(金) 京都府災害支援対策本部・住宅管理課との話し合い
      • 2016年10月24日(月) 京都市危機管理室・住宅管理課との話し合い
      • 2016年11月13日(土) 福島県と避難者の意見交換会(キャンパスプラザ京都)
      • 2916年12月2日(金) 京都府災害支援対策本部渡邉副課長と話し合い
      • 2016年12月7日(水) 財務省京都財務事務所との話し合い

      (3)地方議会への請願・意見書採択の通り組み
      • 木津川市、京都府議会、八幡市、向日市、長岡京市、宇治市、城陽市、京都市ほか

    5.  避難者こども健康相談会きょうとの取り組み

       当会も参加している「避難者こども健康相談会きょうと」が年2回の健康相談会と健康セミナーを開催している。当会は、参加団体として相談会とセミナーの運営を担った。健康セミナーでは、放射線被ばくによる健康影響について科学的な知見を深めることができ、今後の健康管理に役立てることができた。

      (1)第7回健康セミナー 2016年6月12日(日) 京都文教大学参加者 約40名
      • 避難者のお話「甲状腺がんの手術をして~福島県内避難4年、関西に避難して1年~」
          Kさん(福島県浪江町から兵庫県に避難)
      • 講演「甲状腺がん異常多発と健康障害の進行」
          講師:林敬次さん(小児科医・医療問題研究会)

      (2)第8回健康セミナー 2016年11月27日(日) 京都文教大学参加者 約30名
      • 避難者のお話「福島の最近の様子」
          齋藤夕香さん(福島市飯野町から京都市に避難)
      • 講演「福島県を含む汚染都県における周産期死亡の増加について」
          講師:森國悦さん(医師・医療問題研究会)

    6.  「福島の今」を知る交流会

      原発事故から5年、福島の今を知る交流会 参加者約20名
       2016年7月24日(日)10:00~12:00 京都文教大学サテライトキャンパス伏見大手筋
        スライド写真とお話飛田晋秀さん(写真家)

    7.  市民に広く情報を知らせる活動

      (1)ホームページの開設
      • これまで運用してきたブログに加え、業者委託により当会のホームぺージの開設準備を行った。2017年1月からホームページが開設されている。

      (2)講師派遣など
      • 公開学習会国際人権法における「居住の権利」
          2016年7月17日(土) キャンパスプラザ京都
      • 日本環境教育学会関西支部学習会
          2016年10月15日(土) あおぞらビル

      【成果と課題】

      (1)避難者と地元市民の交流と相談の場である「ほっこりカフェ」は、毎回7~10名の参加があった。継続して開催することで、避難者の「駆け込み寺」のような存在となっている。

      (2)今年度から専任の相談員による週一の電話・来所相談を実施した。電話相談は少なかったが、さまざまな場を通じて、当会相談員への相談が寄せられ、継続的な相談を受けている事例や関係機関につなぎ問題解決の糸口となった事例などが出ている。避難者に対する案内・告知をより積極的に行う必要がある。

      (3)避難用住宅の打ち切り撤回の取り組みでは、避難者団体による福島県交渉に参加し、みなし仮設住宅の打ち切り撤回や県の支援策の抜本的な作り直しを求めてきたが、現在のところ撤回させることができていない。避難先自治体である京都府・市に対しては要請書を提出し、話し合いの中で独自支援策の実施についての回答を得てきた。住居を失い、意に反して帰還したり路頭に迷う避難者が出ないように、最大限取り組みを行うことが必要である。

      (4)今年度は、京都新聞社会福祉事業団、京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金、京都木津川マラソン復興支援金の助成を得ることができたものの、個人・団体からの寄付が大幅に減少し、財政的には苦しい状況である。会員の拡大を始め、会の独自財政づくりが大きな課題となっている。

  4.  2017年度の活動方針

    1.  見なし仮設住宅打ち切りにより、避難者が一人も路頭に迷うことがないように取り組んでいく。

    2.  原発事故により京都府内に避難している方々が孤立しないように、避難者同士および避難者と地元住民の方々との交流を目的にした「避難者交流イベント」を適宜開催する。
      • 春桜まつり&交流会(4月初旬)
      • 夏納涼の夕べ(7月下旬~9月上旬)
      • 秋バーベキュー交流会(9月or10月)
      • 冬餅つき大会or クリスマス会(12月)

    3.  避難者交流・相談活動について
      • 避難者の交流と相談の場である「ほっこりカフェ」を毎月開催する。
      • 電話・来所相談(週一)の継続。休日夜間の相談電話を開設する。

    4.  避難者の要望をまとめ国、地方自治体に伝える活動
      • 避難者が抱える課題を明らかにする公聴会を適宜開催し、要望や解決策をとりまとめ国、福島県、避難先自治体との話し合いを継続していく。

    5.  健康相談会&健康セミナーの開催
       「避難者こども健康相談会きょうと」の一員として、放射線被曝に詳しい医師等による健康セミナーや相談会を成功させる。今年度は、健康相談会と保養プログラムを組合わせた事業を8月中下旬に実施する。
      • 第9回健康相談会&セミナー 2017年8月 場所は未定 *保養事業と組合せる
      • 第10回健康相談会&セミナー 2017年11月 京都文教大学(予定)

    6.  被爆者援護法に準じた「原発事故被災者援護法」(仮称)の制定にむけて、学習・研究活動を開始する。

    7.  会員・スタッフの拡大
       当会のスタッフ・会員を拡大するために、ホームページによる情報発信を継続していく。開設するとともに会員・スタッフ募集のリーフレットを作成し広く配付する。

 ページトップ

 ◆ 2016年度決算(期間2016年1月1日~2016年12月末)
2017/2/3 第3回総会

pdfで読む

1.収入の部
費目 予算額 決算額 増減 備考
繰越金 0 0 0 前年度からの繰り越しはなし
会費 30,000 10,000 -20,000 会費一口1,000円
参加費 200,000 141,700 -58,300 公聴会、交流イベント参加費
寄付金 400,000 181,191 -218,809 個人カンパ、会場カンパなど
助成金等 473,000 323,000 -150,000 京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金
 (2,015年度)203,000円
京都新聞社会福祉事業団・設備助成100,000円
京都木津川マラソン20,000円
その他収入 10,000 1,005 -8,995 販売収入、利息など
役員負担 126,987 10,000 -116,987 代表負担
借入金 320,000 320,000 0 2016年度京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金の概算払い(346,000円)が遅れているため、代表から借入したもの
合計 1,239,987 986,896 -253,091

2.支出の部
費目 予算額 決算額 増減 備考
人件費 88,000 264,000 176,000 ほっこりカフェ、電話・来所相談、家庭訪問 相談員人件費
報償費 420,000 245,000 -175,000 各公聴会講師謝礼・交通費、健康セミナー講師謝礼・交通費
中学3年生勉強会講師謝礼(夏季・冬季)
事務局等
旅費
200,000 30,960 -169,040 東京の行動への参加旅費、その他タクシー代など。
 (福島県生活拠点課との意見交換会への避難者の派遣費用は支援する会で負担)
使用料 80,000 80,180 180 公聴会、住宅問題相談会、桜まつり駐車場ほか
食糧費 80,000 62,093 -17,907 交流イベント飲食模擬店の材料費、飲料費
消耗品費 20,000 29,398 9,398 事務用品、イベント関係消耗品
印刷費 50,000 10,375 -39,625 イベントチラシ印刷費など
通信費 40,000 41,162 1,162 郵送費、Fax代等
委託料 50,000 0 -50,000 ウェブサイト開設・運営費
 (2017年1月開設となるため次年度の支払いとなる)
 *科目新設
書籍・映像
資料購入費
10,000 0 -10,000 会としての資料購入はなし
備品購入費 120,000 108,000 -12,000 ホワイトボード、キャビネット、書庫
 *京都新聞社会福祉事業団からの助成金(100,000円)をあてる。
家賃 0 30,000 30,000 共同事務所使用料(月額10,000円、2016年10月~)
返済金 61,987 61,987 0 前年度(61,987円)の借入金の返済
その他の
支出
20,000 20,540 540 関係団体への助成金など
次年度繰越 0 3,201 3,201
合計 1,239,987 986,896 -253,091

 ページトップ
Copyright (C) 2017 うつくしま☆ふくしまin京都 All Rights Reserved. すべてのコンテンツの無断使用・転載を禁じます。