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★ 準備書面(36) −ICRP勧告の意味,低線量被ばくの健康影響等− 
 第5 被ばくと非がん性疾患 
平成28年5月24日

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第5 被ばくと非がん性疾患

 原爆被ばく者における非がん性疾患については2012年に清水氏らによる研究が発表されており,心臓血管系疾患による死亡と被ばくとの相関関係が証明されている。小笹氏等による寿命調査の14報にも循環器系疾患の他呼吸器疾患や消化器疾患が線量の増加に伴い増加することも述べられている(甲D共136号証の1,2)。
 免疫の役割を担うのはリンパ球であり,リンパ球は精子と並んで放射線に最も感受性が高い。従って,放射線が免疫系へ影響を及ぼすのは当然考えられることである。UNSCEAR2006年報告付属書Dの緒言には,放射線による免疫系への影響が100頁以上にわたって解説されている。そこには「1972年初めてUNSCEAR報告で放射線の免疫影響を取りあげて以来6回にわたって様々な側面から論じられてきている」,「多くの科学論文や技術進歩により,電離放射線が免疫機構に及ぼす機序に関する基本的概念の理解が深められた。」,「免疫不全やがん以外の疾患が発症するリスクとそれによる死亡率に関する新しいデータが数多く存在する。」と書かれている。すでに証拠は積み重ねられている。


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