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★ 「原告と共に」No32 2020年8月発行 

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全6ページ 原告と共に No.32
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5月13日第7回期日はコロナで取り消し 福岡地裁判決は国の責任を否定!

 新型コロナウイルスの影響で、5月13日に予定されていた控訴審第7回期日は取り消しになりました。いったん収まったかに見えた感染者数は再び増加に転じ、第2波ともいうべき勢いを見せています。みなさんは、お元気にお暮しでしょうか。

 6・24九州訴訟判決

 6月24日、福岡地裁で九州訴訟の判決がありました。国の責任を認めず、中間指針における「自主的避難等対象区域」外からの避難の相当性を認めない、という極めて不当なものでした。
 国の責任を否認した理屈は、おおよそ以下のようなものでした。

◆ 経済産業大臣は、被告東電に対して長期評価の見解を基礎として試算することを指示するなどすれば、2002年末頃には福島第1原発の敷地高さを超える本件想定津波(注・2008年に東電設計が算出かった。また、長期評価の見解で示された発生確率からしても、福島第1原発の敷地高さを超える津波が到来する切迫した危険性があると認識することは困難だった。

◆ さらに、経済産業大臣において予見し得たのは想定津波であるが、想定津波と実際に起きた本件津波とでは規模や到来の方向等に大きな違いがあることから、防潮堤等の設置や建屋等の水密化などの措置により本件事故の発生を回避することができた可能性は低いといわざるを得ない。
◆ このような予見可能性や結果回避可能性の程度に加え、被告国(保安院)が津波の安全対策について一定の対応を行っていたことや、2007年に新潟県中越沖地震が発生し、その後は地震動についての安全対策が急務とされていたことも考慮すると、経済産業大臣が、被告東電に対して建屋等の水密化などの措置を採るよう義務付けなかったことが、著しく合理性を欠くとは認められない。

◆ したがって、本件主張に係る経済産業大臣の規制権限の不行使は、国賠法上違法であるとは認められない。

 この福岡判決で、国を被告とした裁判での判決は原告側の7勝5敗となり、国の必死の巻き返しが効を奏してきています。7月9日には群馬訴訟の控訴審が結審しました。9月30日には生業訴訟の判決が出ます。いよいよ原発賠償訴訟も正念場を迎えます。
 いっそうのご支援をお願いします。


●原告だより

◆ 関西訴訟期日の感想 ~私の頭の中の話~ 池田理紗さん

 報告会で意見等求められるとよくわからない発言をしてしまい後悔しています、原告の池田です。今回は会報の寄稿依頼を頂き、しゃべってダメなら書いてみようと関西訴訟期日の感想?人前でしゃべるとなぜかわからなくなる私の頭の中の話を書きたいと思います。

 7月30日に初めてZoomで関西訴訟期日報告会に参加しました。原告の陳述から「避難したくても出来ない人の声を聞いた事があるか」の一文を聞いた時、京都避難を友人に話した日の事を思い出しました。

 避難先を転々とし、母の入院手続きで福島に帰った私は久しぶりに会えた友人とお茶をして気が緩んだのか、親の勧めと自身の就職計画で京都に行く事を話してしまい、更に誘ってもしまった翌日、「ごめん、やっぱ行けない」と連絡が来ました。もし、その「行けない」が、家族や仕事の為であり「避難したくても出来ない人の声」であったとしたら?仕事も、止める家族もいない、憧れの京都を熱弁し福島を離れる事を押しまくった私の独りよがりな発言は彼女を傷付けてしまったのではないかと…今でも思います。(9年も引きずったら消えてくれても良いのに…こっそりそうも思います。)本当の事は聞いた事が無いのでわかりませんが、今も彼女は私の友人でいてくれます。

 郡山から大阪へ母子避難をした原告の場合は、子ども達の健康を守るためとひきかえの夫(父親)との9年間の別居という生活苦。同時期に子どもが生まれた母親の場合は、年に一度一週間程度だけでも県外に保養に出す事しか出来ないという苦悩。歪(いびつ)な現状で生きる事を余儀なくされた人達が数えきれない程の理不尽な選択を強いられそもの。陳述の最後のひとことからも、守るべき守られるべきものは何なのかを再び考えさせられるものでした。

 準備書面の方は復興について人口の推移、NHKアンケートを挙げて反論されていました。自動車保有台数・新車登録台数・新設住宅数(NHKアンケート「地域経済は復興したか・震災の影響を脱したか」)―東電はそれらのどれも都合のいい時れでも尚、守った点のデータのみをとりあげて被害を過少評価している事。…既に出ている回答に納得いかないのであれば自分でやれ!NHKにさせるんじゃない!とNHKびいきしてひとんじ(ひとりで)怒っていました。もっとも独自では信憑性が無くて出来ないのでしょうけど。

 報告会の最後に黒い雨訴訟の話が出ました。原告の全面勝訴は黒い雨訴訟の司法上初めての事だとか…黒い雨訴訟をネットで検索。2つ程サイトを見て大体を把握。次に見たサイトは赤旗のデジタル版で、時々しんぶん赤旗を読んでいたので初めてのデジタル版は新鮮でした。広島県原爆被害者団体協議会の方々と志位さんの懇談の記事で、黒い雨訴訟に控訴するともしないとも姿勢を見せない首相を批判していました。更に核兵器禁止条約への認識に進展が無い事、その条約があと10カ国の署名で発効する状況まで来ている事、控訴期限が12日、志位さんは控訴をやめさせ判決を確定させるよう働きかけると表明されていました。アベノソウリは控訴するより他にやることがあるだろうがぁ!と思います。

 アベノミクス?マスク?諸々で鬱憤を晴らすため先日、桑田氏(サザンオールスターズ)のライブビデオをみてたんですね、この文章をまとめている間「人災列島に夜明けは来ない」とか「20世紀で懲りたはずでしょう?」とか歌詞がぴったりで気になり検索では済まずビデオを再生!もう仕事にならない!!…どうやってまとまったんでしょうか?この文章。

 途中で暴走しました。会報に載せて良いモノかとも思いましたが、こういうのしか書けませんで。拙文でございましたがお読み頂きありがとうございました。以上、池田の頭の中でした。

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