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● 新年の抱負原発賠償京都訴訟原告団共同代表 福島 敦子新年明けましておめでとうございます。昨年も支援する会のみなさまからの多大なるご支援のもと、第2回目の3月13日大阪高裁での控訴審期日に始まり、第3回の6月13日、第4回の9月10日、第5回の12月12日の期日すべてが傍聴席満杯となったことに深く感謝申し上げます。 弁論内容では、国際法に触れ、避難の権利を十分に主張した部分や、「確保されるべき安全性は絶対的安全性ではなく、相対的安全性である」とした国策である原発の誇るべき科学技術力が「はりぼて」であったと自認する国のプレゼンは実に印象的でした。 私自身は昨年1月に避難用住宅から他市の府営住宅へと引っ越さざるを得ませんでした。原発事故から9年目を迎えますが、住宅問題は首都圏の2倍家賃問題の裁判が始まるでしょう。賠償訴訟も3月に次々と判決を迎え、訴訟団一丸となって国と東電へ「統一要求」を突き付ける動きを見せる年となります。東京オリンピックで原発事故がなかったことにされないよう、京都から大きく働きかけていく年にしたいです。 10月13日、車2台が水没し、家の中が泥水でドロドロになってしまい、これからどの様にして生活していけばいいのか、不安と落胆でいっぱいでした。が、いち早く、関西からたくさんのご支援の手を差しのべて頂き、言葉では言い尽くせないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。近隣の住宅でも、死者がでるほどの水害ではありましたが、皆様の励ましの言葉やご支援を頂き、少しずつ前向きに家族と歩んで行きたいと考えています。 原告の皆様、スタッフの皆様、さらには一般の方まで、遠い関西からご支援頂きましたとの事、本当に感謝しております。
保養の家を立ち上げるという話を聞いた時、今こそこれまでの恩返しをしよう、と思いました。 思えば私たち避難してきた者は、こちらに来てから支援してくださる皆さんにお世話になりっぱなしでした。支援してくださる皆さんは、いつも私たちに心を砕いて下さって、私たちの悲しみや苦しみ、辛さや痛み、そして怒りを我がことのように受け止めてくださって、それを形に変え、行動にしてくださっています。裁判となれば資金的なことや広報、広く市民の関心を集めて社会的な動きになるような運動に、と常に活発に活動をしてくださっています。それがどれほど私たち避難者の支えとなり力になっていることか! そんな折に私が知ったこの保養の家のプロジェクトの話は、本当にうれしい知らせでした。震災、原発事故後にはあんなにたくさんあった保養の話は、年数を経るにしたがってどんどん減ってきています。原発事故が風化しつつあることの表れとも思いますが、保養の必要性が減っているわけでは決してありません。だからこそ、今の時期に新たに立ち上げる保養の家というのは大切で、ぜひ成功させて軌道に乗せたいと思ったのです。 私が関わったところで大きなことが出来る訳ではありませんが、掃除でも窓ふきでも何かしら役に立てることはあるはず、これまでずっと避難という長期保養の恩恵を受けてきた身としてぜひ何か力になりたい、そんな思いでした。幸い同じような気持ちを持った方が何人も手を挙げてくださいました。それぞれができることを行ったり、皆で集まって一斉にワイワイとやったりと、楽しみを持ちながら活動することが出来ています。 私も、周辺地図を作ったりトイレの棚や廊下のセンサーライトを付けたりと、こまごまとしたことで協力することが出来ました。元々電気や水道の修理や、ちょっとした大工仕事は趣味のようなものなので私自身楽しみながらやっています。 おかげさまで夏休み期間から秋、冬休み期間と利用の申し込みをいただいています。やましろ保養の家、これからもどうぞよろしくお願いします。 ● 絵本 「にんげんさまへ」 (絵・文 間中ムーチョ)のご紹介 川崎安弥子さん 本年11月1日に出版されたこの絵本は、茨城県より避難している妹・間中ムーチョの作品です。 この絵本が世に出るまでには8年の苦難の日々がありました。 何度も書き直し描き直ししてきたものが、本人の言葉を借りるならば「千手観音様」の御手によってイタリア・ボローニャ国際絵本原画展入賞と、その後の出版へと導かれました。 千手観音様とは、妹をこれまでずっと支え励まし続けてきてくださった友人の皆さま、アーティスト仲間の皆さまはじめご縁のある皆さまのことだそうです。 「原発事故をなかったことにはさせない」という信念が私を裁判に向かわせ、妹を絵本出版へと向かわせました。 手段は異なっても目指すところはひとつ。 平和で安全で安心して暮らすことのできる世の中の実現。 この絵本は、同じところを目指すもの同士が手段の違いによって分断せぬよう、原点に戻れるきっかけをつくることができるものだと信じています。 ぜひ、絵本を手にとってご覧いただき「山のきもち」を感じてください。世の中に原発事故のことがもう一度クローズアップされ、語り合うきっかけのひとつとなってくれたなら嬉しいです。 以下出版元のSOKEI出版社より引用させていただきます。 ◆内容紹介 「にんげんさまはあぶねぇとにげられるけんどもよおれたち山はにげらんねぇぞおれたち山はどうしたらいいんだべか」 人災事故によって汚染され、生命の危機に瀕する山。山は嘆き、悲しみ、人間に語りかけます。 「これからおれたちどうしたらいいんだべか?にんげんさまよぉおしえてくんちょ」 山からの問いかけに、人間はどのように答えたらいいのでしょうか。そしてまた、人間は本当に逃げられるのでしょうか。 山の身になって、山の目線で、世界を、暮らしを、見なおしてみませんか。 ◆『にんげんさまへ』に寄せて 間中ムーチョ 『にんげんさまへ』を描かなかったら、私は気が狂っていたと思う。この絵本を描くことによって、私は山になり、海になり、土になって、自分を保ち続けることができた。同時にそれは、山や海、土たちに抱いた罪悪感に向き合うことでもあった。苦しかった。今もまだ苦しい。山の声を人々に届けたいと思って描きはじめたけれど、それは傲慢だったと反省している。私も一人の人間なのだから。 『にんげんさまへ』を読んで、山や海や土たちや、地球や、暮らしについて、みんなでお喋りしてもらいたい。そのときは、あなたの言葉で、あなたの思いを伝えてほしい。みんなで考え、みんなで思いを語り合い、みんなの言葉に耳を傾ける、そういう場をつくるきっかけになれば、とても嬉しい。 東日本大震災の原発事故後に移住した絵本作家の経験と想いから、この絵本は生まれた。「人間は逃げられるけれど、山や土や海は逃げられない」という後ろめたさ、「どこへいっても逃げることのできない」苦しみ、そしてなにより、「山や土や海たちの思いを代弁したい」という熱意に溢れている。山からの問いかけに、人間は簡単に答えを出すことはできない。しかし、もう一度知らなくてはならない。山や土や海たちの愛と赦しのなかでしか、人間は生きられないということを。2019年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選作。 ◆著者について 絵本作家、アーティスト。1970年生まれ。茨城県出身。セツ・モードセミナー卒。女児玩具デザイナーなどを経て、アーティスト活動を開始。東日本大震災で起きた原発事故後、茨城の自宅の庭に咲く水仙やタンポポなどが、事故前とは違う形に変化したのに気づく。人間の出すデータや情報ではなく、植物達が身をもって「ここはもう、以前とは違うんだよ」と教えてくれたメッセージに従い、避難を決意。京都へ移住し、現在は神戸在住。今も植物達から勇気をもらい、創作活動に生かしている。本書『にんげんさまへ』は、2019年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に入選した〝MOUNTAIN〟をベースに、原発事故で汚染されたままになっている故郷の山、海、土への思いを描き上げた。 △ページトップへ 原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会 〒612-0066 京都市伏見区桃山羽柴長吉中町55-1 コーポ桃山105号 市民測定所内 Tel:090-1907-9210(上野) Fax:0774-21-1798 E-mail:shien_kyoto@yahoo.co.jp Blog:http://shienkyoto.exblog.jp/ |
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