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● バイバイ原発3・6きょうと

    

 *萩原ゆきみさん(原告団共同代表)の発言
 
 皆様、いつも御心をお寄せいただき有り難うございます。共同代表の萩原です。
 原告の被害の実態を明らかにする1つの手段として裁判所にPTSDアンケートの集計を提出しました。その結果の1つに「避難してきた子どもたちの6人に一人が引き篭もりや不登校になっている」事が明らかになりました。私の可愛い末娘もそれに近いものがあります。

 最近、私はPTSDアンケートの補足としてインタビューを受けました。そこで、避難当初の話しをするととても悲しくなるのは何故なのか・・・。考える事が出来ました。そして、子どもたちと3.11以後、十分に関われなかった事がトラウマとなっている事に気づきました。しかし、「原発事故さえ無ければこんな事にはならなかったのに・・・。」と思うのは勿論ですが、避難当初からの自分の行動は仕方がなかったと思っています。それからも色々と学び「私自身が癒やされる事で娘を癒やしていける」のだと気づきました。

 かと言って原発事故の事を忘れる事も出来ません。でも活動にのめり込んでいては、自分も家族も癒せないし、生活も立ち行かないしと、ジレンマが続いています。例え世界中の原発が廃炉になったとしても、娘が人生に絶望的になっていたり、自死を考えていたりしたら、本末転倒になってしまいます。

 また、先日、笑顔もあり一見お元気そうな、ある避難者さんにこんな質問をしてみました。「バイバイ原発の発言内容を考えているのだけど、菅野さんにとってこの10年どんな10年だった?」と。彼女は「一言では語れないけど・・・本当に頑張った・・」とたった1言、もらして、肩を震わせて泣いておられました。私には痛い程にその気持が伝わってきました。

 毎週金曜日の関電前行動や各種セミナーなど、様々な事情があり私達避難者が、なかなかご一緒出来ないのが、とても辛くて申し訳なくも思っています。
 
 ですが、私達避難者も、未来を心配してばかりでは生きられません。何とか希望を見出そうと日々懸命に生きています。そんな中で、脱原発社会を目指して下さっている皆さんがこうして大勢おられる事に私達がどんなに励まされているかしれません。本当に有り難うございます!

  

 原告の菅野です。
 それでは、10年を迎えるにあたっての原告団の声明文を読ませていただきます。
 先日発生した地震は、誰もが10年前のことを鮮明に思い出すには十分すぎるほどの大きな地震でした。今回の地震で、「10年前のことを忘れるなよ」と言われたような気がしたという原告もおり、危険な原発をやめられない人間に対する、自然からの警告なのではないかとさえ思えてきます。今回の地震でも、真っ先に頭に浮かぶのは「原発は大丈夫か」という不安です。「また逃げなくてはならい」「政府の発表は真実なのか」など、さまざまな思いが脳裏を巡り、私たちの不安は今でも続いています。

 この10年を振り返ると、10年もの時間が経過したとは思えず、いまでもあの日にすぐ戻ってしまうような感じがすると同時に、思い出せないくらい昔のことのようにも感じられます。避難した避難しないに関わらず、10年前に抱えた様々な悲しみや苦しみはどんなに時間が経っても癒えるものではありません。

 8年前に提訴して始まった裁判は、京都地裁判決を経て現在は大阪高裁での闘いが続いております。被告である東電はもちろん、国にも原発事故を起こした責任があることは明らかであり、すぐにでも真摯な態度で謝罪し賠償すべき問題です。しかし、認めるどころか言い訳でしかない主張を繰り返しています。時間が経てば経つほど、心身ともに疲弊し、心に傷を負ったままの原告も多くいます。私たちが「もう疲れた」と、諦めるのを待っているのではないかと思えるほどですが、私たちは決して諦めることはありません。

 なぜならこの裁判は、自分のためだけの裁判ではないからです。子どもたちやさらに続く世代のためというだけではなく、すべての人の命が守られ安心して暮らせる社会にしていくためにも繋がるものだからです。

 私たちはどんなに厳しい状況に置かれても、東電と国の責任を明らかにし、謝罪と避難の権利を勝ち取る為、あきらめずに声を上げ続けていきます。また、絶対になかったことにはさせないために、多くの方に関心を持ち続けていただきたいと思っています。

 各地で行われている高裁判決で、国の責任を認める判決が出ていますが、私たちも大阪高裁判決での勝利を目指し、そのバトンを繋いでいきたい思いです。これからもどうか御心をお寄せ下さいますよう、よろしくお願いいたします。

   
  
 2021年3月6日 円山公園音楽堂 13:30~(13:00開場)
              デモ出発 15:00~
              円山公園~四条河原町~京都市役所
 
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