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★ 「京都原告団を激励する集いによせて」(18/11/25原告団を激励する集い) 

○原発賠償京都訴訟 原告団 共同代表福島敦子です。
私たち訴訟団の第1回控訴審が12月14日に迫りました。この控訴審を前に、私たち原告団の激励集会を開いていただきましたこと、心よりお礼申し上げます。

○原発賠償京都訴訟は、2013年9月17日に「第一次提訴」をしてからこの春3月15日の「避難の権利」を一部勝ち取った地裁判決まで実に4年半を要しました。
第一回口頭弁論にて意見陳述をした私は、今までの多くの公害裁判や原発裁判での空虚に満ちた判決の数々を心に留め、避難してきた自分自身の思いを心に留め、私たち原告一人一人の命と裁判官の命で、向き合ってください。と訴えました。

○2011年3月11日から次々に起きた福島第1原子力発電所での爆発事故は、私たち家族のゆっくりと過ぎていく穏やかな時間を奪いました。春休みを前にした私の二人の娘達は友達と「さようなら」を言う間もなく散りぢりになりました。
二人は、大好きなおじいちゃんとも離れ、慣れない土地に急に引っ越し、遅くまで仕事をして帰る私を待つ二人の姉妹だけの生活に必死に慣れようと頑張りました。当時、小学3年だった下の娘は、大阪の中学校の先生が催してくれたお話会の中で、「寂しさにたえられないことがたくさんあったけれどお母さんは働いていて余計な心配をかけたくなかったから我慢しました。福島県に帰りたいと何度も思いました。」と話しました。私自身、生活に追われて、娘の気持ちを汲んでやれていなかった衝撃と、子どもの私への気持ちに胸が詰まりました。
このようなドラマは私だけの特別な話ではなく、原告の一人一人がその時々の刹那に真剣に向き合い、「被ばくすること」を考え、傷ついたり、涙を流したり、歯を食いしばり耐えたり、家族には伝えられない想いや、別れや、不安や病に倒れたりしても日々を必死に生きて、謝罪の気持ちのない国と東電の罪を認めさせるべく今日に至っています。

○集団訴訟である私たちの訴訟団は、早い段階から京都、大阪の関西訴訟団、神戸のひょうご訴訟で「3都物語」として発展しました。今日の支援に駆け付けてくださるような強固なつながりになれたことに感激しております。このつながりは、今後勝訴へと連鎖していくに違いありません。

○そして、つながりは、「3都物語」から全国へと発展していきます。2017年9月29日の結審では、福島県や神奈川、東京、名古屋など全国から応援に駆けつけてくださりました。
これは、判決にもつながりました。国の中間指針で対象外とされていた地域の人達を被害者として認定し、各訴訟団が次々と認定範囲を広げていきました。(今控訴審での私の最大の目標は、この地域拡大を仙台に広げること、子ども達の賠償もきちんとしてもらうことです)
今、私たち京都訴訟団は、国と東電が風評被害と言いきる「被ばく問題」を法廷で訴え続け、弁護団、支援する会の皆さま、長年の経験を持つスタッフとともに地裁での一部勝訴判決を取りこの経験をもって各地域の訴訟団の傍聴席も満杯、民意へ訴えようと動いています。

○福島県の10月31日現在の環境放射線量測定値は、大熊町夫沢で1時間当たり6.42μ㏜、浪江町小丸多目的集会所で1時間当たり8.58μ㏜。室原公民館は1時間当たり1.55μ㏜。この公民館がある地域は、すでに国から「特定復興再生拠点区域復興再生計画」の認定が下り帰還困難区域全体の避難指示解除に向けて粛々と整備されている地域になります。ちなみに、この大阪府の10月31日現在の環境放射線量測定値は、1時間当たり約0.08μ㏜。実に20倍の線量を強要されて福島県内の人々は生活しているのです。

○私たちは、今後も皆さまとともに共闘、声を上げ、この大阪の高等裁判所において完全な勝利を勝ち取り、このあまりにも理不尽すぎる原発事故の人々への対応の改善に向け大きく邁進してまいりたいと思います。
今日ご参加の多くのみなさまのご加勢に力をいただき、原告が勝訴するその時を見届けていただきたいと思います。
ありがとうございます。

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