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● 2023年 バイバイ原発3・11きょうと

  *バイバイ原発3・11京都集会の様子はこちらから見ることができます。

  *バイバイ原発3・11京都集会に原発賠償京都訴訟原告団として参加し、登壇者全員で
   発言しました。発言内容(予定原稿)を掲載しますので、ぜひ、読み下さい・

       


・ 河本さん

 震災からあっという間に12年が経ちました。
 今、悲惨な事故はなかったことのように原発推進にまた進もうとしています。 
 私は2012年12月に京都に母子避難してきました。家族が離れて暮らす選択肢がなく、母子避難は考えられずデトックスのために母子疎開を繰り返しました。
 もう仙台で暮らしていかねばと現状を知っておこうと、近くの公園の砂場の砂の放射性物質を検査したところ、厳重に管理させるべき放射性物質の値でした。そんな砂場で遊ばせるなんてできません。

 本当に苦渋の選択で避難してきました。
 小さい子供2人連れての母子避難はなかなか決断できるものではありません。とても不安な日々を過ごしましたが、京都に避難してから同じ避難者の方と繋がり、避難は正しかったと確信しました。
 国や東電の対応に怒りと、もう二度と私達のような辛い思いをすることがないよう、原発賠償京都訴訟の原告になりました。

 もう元には戻せない、色々なものを奪った原発事故の責任を取るべきです。 
 今、私たちは大阪高等裁判所で闘っています。
 もう裁判も長く続き、疲れてきていますが、結審まであと1年、何とか闘い抜かねばと自分に言い聞かせています。
 どうぞ、皆さまのお力をお貸し下さい。応援よろしくお願いします。


・ 萩原さん

 国と東電に損害賠償を求めて、2013年に提訴してからもう10年になりました。
 こんなに長い間、裁判で闘うなんて思ってもいませんでした。

 私たちの裁判の目的は、原発事故を引き起こした被告らの加害責任を明らかにすること。
 少なくとも法定被ばく限度である年間1ミリシーベルトを超える放射能汚染地域の住民について「避難の権利」を認めさせること、原発事故によって元の生活を奪われたことに伴う損害を被告に認めさせることです。

 さらには、全国で闘われている原発賠償訴訟、子どもたちの健康に特化した裁判、刑事裁判や株主代表者訴訟などと連帯し証拠調べなどの情報を共有したりしながら勝利判決を勝ち取り、原発事故被災者全員に対する検診、医療補償、住宅提供の継続、雇用対策などの恒久的な施策の実施を確立させたいと考えます。
   

   

・ 菅野さん

 提訴してからの長い裁判の中で、ちょうど5年前の2018年3月15日。私たちの裁判の地裁判決が言い渡されました。先の2017年に判決が下された群馬訴訟、生業訴訟に続き、みたび国の責任を認めた「一部勝訴」でした。

 原発賠償京都訴訟団の原告のほとんどは、自主的避難者、区域外避難者と呼ばれ、国が線引きした避難区域の外から避難してきた人で構成されています。
 京都地裁判決では、自主避難の相当性は認められたものの、認められた避難の期間は2012年4月までと短く、原告の全員の避難元が認められたわけではありませんでした。

 ただ、原発事故の引き金となった原発敷地を超えるような巨大津波が起きることは予見できたこと、津波対策を取っていれば今回のような事故は回避できたことが認められ、その後の訴訟団の判決でも同じように判断されるようになったのは大きな成果でした。


・ 川﨑さん

 京都に避難して11年が経ちました。
 誰一人として知り合いのいない西日本。
 子ども3人を連れての母子避難。
 緊張感とかすかな希望を胸に京都にたどり着きました。

 避難者用の借り上げ住宅では、同じ境遇の友人ができ、大変心強く暮らしていましたが、それも住宅支援打ち切りによりコミュニティが壊されてしまいました。
 私にとって、今残っている避難者のコミュニティは、この原発賠償京都訴訟原告団だけとなりました。共に闘ってきたかけがえのない仲間です。

 裁判においては、「国・東電には、同じ過ちを繰り返させないためにも、何としても責任を取らせたい。たくさんの命と人権を奪った原発事故をなかったことにはさせない。この使命を全うしたい。」
 ラストスパートのこの1年、力を合わせて闘いぬきたいと思っています。 どうぞ、お力をお貸しください。よろしくお願いいたします。

 
・ 堀江さん

私たちのこの裁判も始まってから丸10年となります。
 私は、この間に出会った被爆2世の方から、この裁判を闘う上で必要なことは、原発事故により被ばくしたことを自覚し、国に保障してもらうという覚悟が必要だと言われたことがあります。私はその言葉を重く受け止め、この裁判に臨んできました。

しかし、長くなるにつれ、日々の暮らしもある中で、気持ちがついていかなくなることもありました。そんな時に、私たちに寄り添い、励ましてくれる多くの支援者の方に、頑張る力と勇気をもらい、ここまで闘ってくることができました。本当に感謝しています。

大阪高裁でのゴールも近づきつつあります。裁判官には政権に忖度しない判決を下してもらいたい、被害に見合った判決を書いてもらいたいと思います。
 そのためにも、多くの方の関心がこの裁判に向いているということがとても重要です。私たちと一緒に声をあげましょう。引き続き応援してください。

 
・ 堀江(娘)さん

 今、私たちの闘いは大阪高等裁判所に舞台を移し、控訴審が行われています。
 2018年12月14日に第1回目の控訴審期日が行われ、傍聴席はおかげさまで満杯でスタートを切りました。今月3月2日には第17回目の期日があり、ここ数年のコロナ禍の影響否めず傍聴席満杯になるよう努力し続けています。

 控訴審で、とても重要な裁判資料が提出されました。それは、ストレスアンケートです。私たち原告全世帯に対しアンケート調査を実施し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のハイリスク者の割合は半分以上の55.9パーセント、避難当時7歳から18歳の子どもたちの割合については52.2パーセント。子どもたちの体調の変化があったと答えたのは約80パーセントに上ったというものです。
 

・ 明智さん

 また、当時大阪大学医学系研究科の本行教授に書いていただいた意見書も提出されました。放射性感受性には、個体差があること、年齢が若いほど放射性感受性が高く、影響を強く受けやすいこと、が示されています。

 もう一つ重要な提出書類として、国際人権法に関するものがあります。私たちが主張する「避難に対する権利」や「「健康に対する権利」に関連している国際法は、自由権規約や社会権規約と多岐にわたります。日本はこれらの締約国なので人権条約上の義務を国内で実施する法的義務があるのです。

 現在もなお、原発事故の収束のめどは立たず、子どもたちの健康がおびやかされたり、避難者が不当にみなし仮設住宅を追い出されたり、事故後の補償もない今の状態は明らかな国際人権法違反に当たるのです。


・ 福島さん

国際人権法に関わる出来事として、2022年10月に、避難民の調査として国連の国内避難民人権特別報告者のセシリアさんが来日され、「避難民は強制避難か自主避難かを問わず全員が国内避難民であり、ほかの日本国民と同等の権利を有する」としました。

また、第4回目のUPR、つまり国連加盟国193か国すべての国の人権状況を普遍的に審査する制度により、日本に対し300の勧告が出されました。その中で福島の原発事故に関する勧告が16もありました。マーシャル諸島、バヌアツ、コスタリカなど核による被害を受けた国が勧告してくれたことは大きいです。これから、この勧告を日本国が受け入れるよう取り組まなくてはなりません。

裁判官には公正な判決を書いてもらうように署名活動を行っています。
 私たちの署名用紙には、たくさんの工夫が凝らしてあります。一人の署名用紙には裁判官への一言メッセージが書けるようにしてあります。署名用紙のQRコードからは原告団のメッセージ動画が見られる工夫をしています。また、2022年6月17日の群馬訴訟、千葉訴訟、生業訴訟、避難者訴訟に対する最高裁判決の不当さに抗議するべく署名用紙を一新しましたので、今日も入り口にてブースを設けております。署名してくださいますようにお願い申し上げます。

 次回の原発賠償京都訴訟の第18回期日は、6月6日火曜日です。傍聴支援に来てくださったみなさまには、原告が心を込めて書いた傍聴カードをお配りします。期日ごとに集めるといいことがあるかもしれません。
 次々回の期日は、9月26日火曜日いずれも14時半から開廷です。
 どうか私たちの闘いにご支援のほどお願い申し上げます。今日、私たちの言葉に耳を傾けてくれてありがとうございました。
  
   

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 2023年3月11日 円山公園音楽堂 13:30~(13:00開場)
              デモ出発 15:00~
              円山公園~四条河原町~京都市役所
 
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