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チェルノブイリ並み被ばくで多発する福島甲状腺がん
−線量過小評価で墓穴をほったUNSCEAR報告
・出版 福島原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会
・定価1000円+税 2023年3月31日刊 印刷 耕文社
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●正誤表
訂正があります。
1.p17 下から3 行目:「2020/21 報告に比べ、」
→ 「2013 報告に比べ、」
●本書まえがきから
IAEA(国際原子力機関)の1996年の会議「チェルノブイリ10年後」は、これまでの住民を放射線被ばくから防護するという任務を放棄し、原発事故の際には高汚染地帯に住民を住み続けさせる方針を決定した。この方針の大転換はICRP(国際放射線防護委員会)2007年勧告で具体化され、それが最初に福島原発事故に適用され、被ばくとその被害が系統的・組織的に隠蔽された。
2011年の福島原発事故による被ばくは本当にチェルノブイリに較べ無視できるくらい小さかったのか。本書はこの「言説」の真相に関する決定的な報告である。
当会の加藤聡子・山田耕作は昨年2編の論文を発表すると共に「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」との論争を通じて、福島の甲状腺がんの多発がチェルノブイリ並みの初期甲状腺被ばくによることを明らかにした。
意図的な隠蔽もあり、信頼すべき被曝データがほとんど存在しない福島において、被ばくの真実の追究は極めて困難である。不確実で曖昧な暴露量と現実に発生した病気があるとき、現実に発生した小児甲状腺がんから被ばく量を推定するという方法をとり、甲状腺がん発生率をチェルノブイリと比較することによって、UNSCEAR2020/2021推定の福島の甲状腺被ばく線量が約1/50?1/100
に過小評価されていることを明らかにした。
これにより、“UNSCEARで推定された甲状腺吸収線量において、甲状腺がんの大幅な増加は予測されない、従って放射線被ばくとは無関係”というUNSCEAR2020/2021の主張のすべてが崩れた。
次いで本行論考では、UNSCEAR報告書の被ばく線量・健康影響評価に対する明快な反論がなされており、UNSCEAR報告書を読むときの座右においていただきたい力作である。さらに本書には、UNSCEARを中心とする内外の諸組織の被ばくの過小評価の実態について、他の検証委員による詳しい報告を加えた。
これらの結果は甲状腺がんに留まらず、従来報告されている、周産期死亡率・低体重児の増加、心筋梗塞、ガンの増加などの健康被害の究明に資するものである。健康破壊が顕在化している現在、福島原発事故による健康被害の実態を明らかにし、予防・治療を支援することは緊急の課題である。
それを日本政府の手で責任を持って進めるために、福島原発事故による全ての被ばく者に、安心して予防措置・検査と治療を受けられるよう健康手帳を早急に交付すべきである。
福島原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会一同 2023年3月
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●目 次
まえがき
1 チェルノブイリ並み初期被ばくにより多発した福島甲状腺がん
加 藤 聡 子
2 UNSCEAR 2020/2021報告書の問題点
本 行 忠 志
3 UNSCEAR 2020/2021報告書に日本側はどう関与したか
田 口 茂
4 マンハッタン計画を引き継ぐ放射線被ばく研究
高 橋 博 子
5 「福島原発事故による甲状腺被ばくの真相」究明における
津田─疫学誤用検出ツールキット─論文の意義
山 田 耕 作
6 福島原発事故による小児甲状腺がんの多発について
─改めて因果関係を考える
大 倉 弘 之
7 日本の専門家は被爆者の命と健康に寄与した先人達の原点に
立ち戻るべき─内部被ばくの影響を考慮したと称する似非科学
パラダイムを乗り越えよう
藤 岡 毅
8 「 原因不明の多発」として小児・若年性甲状腺がん放置を
続けてはならない
林 衛
あとがき
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